自動車を所有しているときには、任意保険に加入するものですが、手放したり売却したりすると保険を解約します。しかし後から車を所有することも考えられるでしょう。
そのために中断証明書を発行して、備えておくことが可能です。しかし中断証明書とはどのようなものでしょうか?この記事では、中断証明書の発行条件や手続きの方法を解説します。

自動車保険の中断

自動車保険を一時的に解約する場合、その時の保険等級を保持したい場合に役立つのが「中断証明書」です。この証明書があれば、解約後10年以内に再度保険を契約する際、解約時の等級を引き継ぐことができます。
例えば車を売却したり、海外赴任で一時的に日本を離れる場合など、保険が不要な期間が生じた際に便利です。ただし、事故を起こして保険金を請求した場合は、事故後の等級が適用されますのでご注意ください。
中断証明書の有効期間は10年までで、それを超えると等級は保持できません。そのため、長期間海外に滞在する予定がある場合や、将来的に車を所有する予定がない場合は、中断証明書の発行は必要ありません。
また、保険を再開する際には、中断時の契約者だけでなく、その配偶者や同居している親族も被保険者として追加できます。これにより、家族で新しい車を購入した場合でも、以前の等級を引き継ぐことができます。
中断証明書を取得することで、過去の保険履歴を有効活用し、再契約時に有利な条件で保険を再開できます。
中断証明書があれば等級を引き継げる
自動車保険を一時中断しても、中断証明書を使えば10年以内であれば、以前の保険契約の等級を新しい保険に引き継ぐことができます。例えば、以前に20等級で契約していた車を廃車にし、数年間車を所有していなかった場合でも、新しい車を購入しても20等級から保険を再開できます。
この中断証明書は、他の保険会社で取得したものでも利用可能です。これにより、異なる保険会社間でも等級の引継ぎがスムーズに行えます。ただし、この制度を利用するためには特定の条件を満たす必要がありますので、詳細は確認が必要です。
中断証明書を発行できる条件

自動車保険の中断証明書は、一時的に車を持たなくなる人のための便利な制度ですが、利用するにはいくつかの条件があります。
等級が7等級以上であること
自動車保険は通常、新規契約時に6等級からスタートします。7等級以下、つまり事故歴が影響するデメリット等級の場合は、中断証明書の発行対象外です。車を一時的に手放す際には、新たに車を持つことになった時のために、中断証明書を発行しておきましょう。この証明書があれば、7等級以上の良好な等級を保持することができます。
解約日または満期日から13か月以内に申請すること
中断証明書を発行してもらうには、保険の解約日または満期日から13か月以内に申請する必要があります。早めに保険会社に連絡することが重要です。なお、保険会社によっては、申請期間が5年以内と長めに設定している場合もあります。
車が手元にない状態であること
中断証明書の発行条件として、公道を運転できる状態の車が手元にないことが必要です。これには、廃車や譲渡、車検切れ、盗難、車両の入替などが含まれます。これらの状況を証明する書類を提出することになります。また、留学や海外転勤、一時的に車を使わない場合など、さまざまな状況で活用できます。
これらの条件を満たす場合、中断証明書を活用して、以前の契約の等級を次回の自動車保険契約時に引き継ぐことが可能になります。これにより、保険料の節約につながることもあります。
保険中断の事例
転勤で一時的な引越しをする場合
転勤で一時的に車が不要な地域に複数年住むことになった場合、売却と同時に保険を中断しておきます。
このようにしておくと、後々別の場所への引っ越しなどで車が必要になった時に初めて契約する際の等級からスタートする必要がなく、当時の等級で保険を再開することができます。
複数台所有していた場合
複数台所有していたが必要なくなったのでそのうちの1台を手放した場合、中断しておきます。
後から家族(契約時に同居している家族に限る)が増車した際に、その等級で保険を契約することができます。
それぞれの場合において、増車および減車と同時に車両入替をすることで、保険料が高い条件になる車に高い等級を充てることも可能です。
中断証明書の発行までの流れ

自動車保険の中断証明書を取得する際の一般的な手順は以下の通りです。
保険会社への依頼
まず、自動車保険を提供している保険会社に中断証明書の発行を依頼します。
必要書類の提出
廃車証明書や登録事項等証明書など、中断の理由を示す公的な書類を保険会社に提出します。これらの書類は、中断証明書を発行するための条件を満たしていることを証明するために必要です。
中断証明書の受け取り
必要書類を提出後、保険会社から中断証明書を受け取ります。この書類の発行には、提出した書類が保険会社に到着してから約10日程度の時間がかかることがあります。
書類が不足している場合などは、中断証明書の発行が遅れる可能性があるため、提出する書類は事前にしっかり確認しておくことが重要です。
また、一部の保険会社では、取扱代理店を通じて中断証明書の発行に関する詳細な案内や、必要な書類についての情報を提供しています。代理店の連絡先は保険証券や保険契約者向けの専用ページで確認できます。
中断証明書を上手に利用することで、一時的に車を持たなくなった際も、以前の等級を保持し、将来的に自動車保険を再契約する際に有利に活用できます。
中断するのに必要な書類

任意保険を中断するのに必要な書類の例は以下の通りです。
- 中断証明書発行に関する依頼書
- 中断前の自動車保険証券のコピー
- 前契約車両の、売却、リース業者へ返還、譲渡、廃車などを証明する書類 例)登録事項証明書/検査記録事項等証明書/売買契約書/車検証など
保険会社によって異なる可能性もあるため、加入を検討している会社で何が求められるのか確認しておくことをおすすめします。
自動車保険の再契約の流れ

自動車保険を一時停止したい場合、保険が終了する時(解約または満期)に中断証明書をもらいましょう。
自動車保険に再加入したい場合、中断証明書を持っていれば手続きはスムーズです。保険の再開手続きには以下の方法があります。
- 電話での手続き
保険会社または代理店に電話して、必要書類を郵送してもらいます。届いた書類に記入し、必要な書類を添えて返送します。 - 代理店での手続き
直接代理店に行き、担当者から手続きの説明を受けます。こちらは面と向かって質問できるので、不明点がある場合には便利です。 - オンラインでの手続き
保険会社のウェブサイトから手続きを行います。この場合、必要書類は後から郵送することになります。
中断証明書には「国内特則」と「海外特則」の2種類があります。それぞれのケースで必要な書類が異なります。
国内特則の場合
国内で車を手放し保険を解約する際に発行される証明書です。保険を再開する際には、中断証明書の原本と新しい車の車検証のコピーが必要です。
国内特則の条件
- 新しい車を購入したら、その車に関して1年以内に手続きを完了させましょう。
- 中断していた車と新しく取得する車は、どちらも自家用の8車種に該当する必要があります。
- 中断証明書は、発行日から10年以内であれば有効です。
- 新しい車の所有者は、以前の保険契約時の所有者自身か、その同居の親族である必要があります。
- 保険の記名被保険者も、前回の契約者本人または同居している親族でなければなりません。
海外特則の場合
長期海外赴任などで車を使わない期間に保険を解約する際に発行されます。この証明書で保険を再開するには、中断証明書の原本、新しい車の車検証のコピー、出国と帰国が確認できるパスポートのコピーが必要です。
海外特則の条件
海外から帰国した後、自動車保険を再開する際には次の点を確認しましょう。
- 帰国してから1年以内に保険の手続きを行う必要があります。
- 使用する中断証明書は、発行から10年以内のものであることが必要です。
- 新しく購入する自動車の所有者は、前回の保険契約の所有者本人、またはその同居の親族でなければなりません。
- 新しい自動車の記名被保険者も、以前の保険契約者自身か、同居している親族である必要があります。
これらの条件を満たすことで、海外滞在中に中断していた自動車保険の等級を新しい保険契約に引き継ぐことができます。
保険を再開する際は、これらの書類を準備して、選んだ手続き方法に従って進めましょう。
この証明書があれば、10年以内に元の等級を保持した状態で保険を再開できます。再契約する際の手続きは以下の通りです。
- 中断証明書と、新しい車の車検証を準備します。
- 新しい保険会社か代理店に、中断証明書を使って再契約したい旨を伝えます。
- 中断証明書に基づいて、等級を反映させた申込書が用意されます。
- その申込書に従って、手続きを進めます。
中断証明書の有効期限は、保険を中断した日の翌日から10年間です。この期間内に新しい自動車保険に再加入することが必要です。期限を過ぎると、新規契約として6等級からのスタートになります。
また、新しい車を購入した場合、再契約は車を取得してから1年以内に行う必要があります。期限を過ぎると中断証明書は使えなくなりますので、注意しましょう。
もちろん具体的な状況に応じた専門的なアドバイスは、金融アドバイザーに相談することをおすすめします。
保険の条件を確認しておこう
車の保険を解約する際には、今後のことを考えて中断証明書を発行しておくのもよいでしょう。中断証明書から引き継げるのは10年なので、その期間内で車を所有する予定なら用意しておくのはおすすめです。
ただし、10年間の間に車両保険の必要性などが変わっている可能性があるため、保険の条件を確認しておきましょう。補償内容を再確認して状況にあったものを選択します。
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よくある質問
- 中断証明書とは?
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自動車保険を一時的に解約する場合に、保険等級を保持するための書類です。一時的に車を手放した後に、再所有した場合でも解約時の等級を引き継ぎできます。
- 中断証明書の有効期限は?
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中断証明書の有効期限は10年です。長期間車を所有する計画がないなら、中断証明書は不要です。しかし10年以内に再所有する予定なら中断証明書を発行しておきましょう。