一昔前まで「コラムシフト」と呼ばれるシフトレバーが、多くの国産車に採用されていました。
現在コラムシフトが採用されている車を見る機会はほとんどありません。しかし以前は一般的だったコラムシフトはなぜ採用されなくなったのでしょうか?
そこでこの記事では「コラムシフト」の特徴や採用するメリット、デメリット、減少した理由を解説します。
コラムシフトとは?

コラムシフトとは「ステアリングコラムからシフトレバーが装着されているレバー形式」のことです。
インパネシフトが採用されるまでは、軽自動車からミニバンサイズまで幅広い車種にコラムシフトが採用されていました。
マニュアル車やオートマ車で採用されていたフロアシフトからコラムシフトへと変更したため、センターコンソール付近にあった操作レバーを廃止でき、運転席と助手席のシートの空間を広げることに繋がっています。
しかし、現在では「シフト制御の電子化」の普及に伴い、コラムシフトを採用する車はほとんど見なくなりました。
コラムシフトの歴史

コラムシフトは軽自動車だけでなく、普通車や大型車などの多くの車種に採用されていた装備でした。
戦後の国産車でコラムシフトは一般的でしたし、フロアシフトが一般的になるまで多くの車で採用されていたシフトでした。
その後、ミニバンブームでコラムシフトが採用されましたが、インパネシフトが採用される車が増加し、結果的にコラムシフトを採用した車を見る機会もなくなりました。
昔は幅広い車種に採用されたシフトレバーだった

コラムシフトの採用は、1990年代に流行した軽自動車ブームが大きく影響しています。
当時、コラムシフトを採用した軽自動車は数多くあり「ベンチシート+コラムシフト」が一般的になるほど浸透していきます。
1990年代は日本車だけでなく、多くのアメリカ車にも「コラムシフト」が採用されています。
採用された「インパネシフト」が大流行したことで、新型車へのコラムシフトの採用が大幅に削減されました。
コラムシフトの2つのメリット
コラムシフトには2つメリットがあります。
- ハンドルとの位置が近いため、素早い操作が可能
- 運転席と助手席の室内空間が広くなる
それぞれのメリットを詳しく解説します。
ハンドルとの位置が近いため、素早い操作が可能

コラムシフトはハンドルの左後ろの位置にあるレバーのため、素早い操作が可能です。
運転中の手の動きを最小限にでき、運転により集中できるメリットがあります。
運転席と助手席の室内空間が広くなる

コラムシフトの場合、シフト位置がハンドル操作部にあるため、センターコンソールのスペースを必要としません。
センターコンソールが不必要なため、運転席と助手席の間に操作部品がなくなり、室内空間が広くなるメリットがあります。
コラムシフトが採用されていた当時は、軽自動車からミニバンまで幅広い車種に搭載されていました。
コラムシフトの2つのデメリット
コラムシフトには2つのデメリットがあります。
- シフト操作時にミスが発生しやすい
- 操作時にワイパーやウインカーに接触してしまう
コラムシフトに関するデメリットを詳しく解説します。
シフト操作時にミスが発生しやすい

コラムシフトはシフトの操作時に別のドライブレンジに入ってしまうデメリットが考えられます。
具体的な操作ミスとしては、「D」にレバーを切り替えたいのに「S」レンジにドライブが入るなどのケースです。
最悪の場合「R」と「D」のシフトレバーを入れ間違えたことで、大きな事故に発展する可能性も考えられます。
コラムシフトを運転する方によっては「逆に運転しにくい」と感じる方も中にはいます。
操作時にワイパーやウィンカーに接触してしまう

コラムシフトはステアリングコラムからシフトレバーが生えており、シフトレバー操作時にワイパーの操作レバーに接触してしまう可能性が考えられます。
しかし、レバー操作時に毎回接触して各機能が作動すると「利便性は高くない」とも言えるでしょう。
コラムシフトの採用が減少した理由は3つ
コラムシフトの採用が減少した理由は3つあります。
- 様々な快適操作機器の搭載
- インパネシフトへの変更
- 車の電子化
1つずつ詳しく解説します。
様々な快適操作機器の搭載

コラムシフトが採用されてから、長年の月日が経ち、車も時代の流れとともに進歩してきました。
現在では、パドルシフトの他にも、オートクルーズコントロールやオーディオのボリューム調整スイッチ、オーディオ接続など様々な快適装備が充実しています。
結果的にコラムシフト以上の快適装備が車に搭載されたことで、コラムシフトの採用が減少しました。
運転手や乗車定員への快適性能にこだわる余り、コラムシフトの必要性も徐々に薄れていったとも言えるでしょう。
インパネシフトへの変更

昔のAT車(オートマチック車)には「フロア」と「インパネ」「コラム」の3種類がありました。
現在ではコラムシフトがなくなり「フロア」と「インパネ」のどちらかになりますが、インパネシフトへの変更もコラムシフトが減少した理由の1つです。
車の電子化

画像引用元:ホンダ
「車の電子化の発展」もコラムシフトが減少した理由の1つとして挙げられます。
具体的な電子部品の採用は「電子パーキング」や「スイッチレバーの発展」が大きく関係しています。
特にスイッチレバーを採用している車には、物理的なギア変速機能がなくなり、スイッチ動作1つで減速ができます。
その他にもAT車(オートマチック車)の爆発的な普及がコラムシフトが減少した理由とも言えるでしょう。
シフト操作がしやすい車【3選】
シフト操作がしやすい車を3つ紹介します。
- おすすめ1:【ホンダ】N-BOX
- おすすめ2:【日産】セレナ
- おすすめ3:【トヨタ】プリウス
それぞれの車種について詳しく解説します。
おすすめ1:【ホンダ】N-BOX

ホンダのN-BOXは軽自動車の中でもトップクラスの販売台数と高い人気がある車です。本田技研工業が誇る最大限の技術力と安全性能を搭載した1台でもあります。
シフトは、インパネシフトとなっており、助手席側への移動もしやすい位置にあります。また、操作もドライバーから手が届きやすいといえるでしょう。
またN-BOXのターボモデルには、ハンドル横のシフトポジションに位置している「7速マニュアルシフトモード」が搭載されています。ハンドルから手を離すことなく、シフトを「1速〜7速」まで変速できる特徴があります。
シフトモードの切り替えは走行中でも変更可能であり、走行状態に合わせてのシフト動作ができます。
メーター部に現在のシフトポジションの位置と表示灯が点灯する仕組みであるため、シフトの入れ間違いを防げる効果もあります。
日産 セレナ

日産のセレナはミニバンクラスの中でもトップクラスの「室内空間の広さ」と「安全性能」を備えた車です。
日産が誇る安全性能装置「プロパイロット機能」も搭載されており、高速道路での自動運転や、ハンドルアシスト機能、急アクセルや衝突軽減ブレーキなどの種類があります。
新型セレナのシフトレバーは「スイッチ式シフト」です。スイッチ式シフトは、運転席と助手席の中央部分に配置されており、運転者の運転操作を阻害することなく、安全な運転が可能になります。シフト位置は左から「P」「R」「D/B」の順番に配置されています。
スイッチ型シフトに慣れていない方も多いが、慣れると使い勝手のよさを実感するでしょう。
先代モデルでは、一般的なインパネシフトが採用されていたため、ガソリン・e-POWERを問わずスイッチ式になったのが変更点です。
トヨタ プリウス

トヨタのプリウスは初代モデルから5代目新型プリウスまで続くロングヒット車です。
新たなハイブリッドの象徴となるため「Hybrid Reborn」を開発コンセプトに販売されました。
高性能なハイブリッドシステム以外にも「一目惚れする外観デザイン」や「滑らかで力強い走行性能」に特徴があります。
シフトレバーの位置はセンターコンソールの先に設置されており、大きめのスティック状のレバーが特徴的です。
新型プリウスに採用された「シフトレバー」は走行中でも、自然と手の中にフィットする構造をイメージして採用されています。
シフトレバーの操作方法は、各モードへ動かす方向が矢印で記載されており、操作後は「・」の位置にレバーが戻る仕組みです。従来と同じシフトパターンですが、「P」が視覚的に分かりやすくなっています。
コラムシフトについてよくある質問
コラムシフトについてよくある質問をまとめました。
- コラムシフトとは?
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レバーが配置された形式です。採用されていた当時は軽自動車からミニバンまで幅広い車種に装備されていました。2023年現時点でコラムシフトを採用している新型車は1台もありません。
- コラムシフトのメリットとデメリットは?
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コラムシフトのメリットは走行中でも切り替え動作がしやすい点です。逆にデメリットとして、人によってはシフト操作時に異なるレバーに触れてしまうことです。
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