ホンダは2024年6月に新しい小型ミニバン「フリード」を発売しました。この新型フリードは、ホンダの先進運転支援システム「Honda SENSING」がさらに進化しており、センサーが刷新されたことで予防安全性能が強化されているのが特徴です。
先代は、ADAS用のメインセンサーとして単眼カメラとミリ波レーダーを使用していました。しかし、現行モデルでは、ミリ波レーダーを外して単眼カメラのみのシステムに変更されています。シンプルな構成でも安全性能がしっかり向上しているので、ホンダの技術の進化を感じられます。
この記事では、フリードの安全装備について解説します。



新型フリードの先進装備は充実している
新型フリードと先代フリードの安全装備を比べると、次のような違いが見られます。
新型フリードの安全装備

Honda SENSINGの進化:新型フリードでは、先進運転支援システム「Honda SENSING」がアップグレードされ、センサーも刷新されています。ミリ波レーダーをなくし、単眼カメラのみのシステムになったことで、より予防安全性能が強化されています。夜間の歩行者にも対応するようになりました。
電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能:新型フリードには電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能が新たに搭載されました。これで運転席の足元がすっきりし、ACCの停止保持機能(渋滞追従)や、一時停止時にブレーキを踏み続けなくてよくなるなど、利便性がかなり向上しています。
さらに、オートブレーキホールド機能はメモリー機能付きなので、エンジンを切っても設定がそのまま保持されるようになっています。
先代フリードの安全装備

Honda SENSINGの標準装備化:先代フリードの後期型では、「Honda SENSING」が標準装備されていて、衝突軽減ブレーキや車線維持支援システムなどの安全機能がしっかり備わっていました。
ミリ波レーダーと単眼カメラの併用:先代モデルは、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせたセンサーシステムを使用していて、前方の車両や歩行者を検知する仕組みでした。
新型フリードではセンサーのシステムがシンプルになり、新機能も加わったことで、安全性と利便性がさらに強化されているんです。
フリードに搭載されているHonda SENSING
Honda SENSINGは、広い視野を持つフロントワイドビューカメラと前後に設置された8つのソナーセンサーで、万が一の状況に備えています。このカメラは側方の検知能力も高めており、前後のセンサーと組み合わせて壁などにぶつかりそうな時には「近距離衝突軽減ブレーキ」が作動してブレーキをサポートします。さらに、ガラスのような透明な障害物も検知できるので安心です。
急アクセル抑制機能もあり、アクセルとブレーキの踏み間違いを防ぐ機能が搭載されています。もし踏み間違いを検知したら、急発進や急加速を防ぎ、音と表示で注意を促してくれます。
渋滞追従機能付きのアダプティブクルーズコントロール(ACC)では、先行車に合わせて自動で加減速しながら車間距離を適切に保つサポートをしてくれます。先行車が停車すると一緒に停車する機能もあり、高速道路での渋滞時にも安心です。
さらに、トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)も搭載されており、渋滞時には車線キープをサポートして、アクセルやブレーキの操作負担を軽減してくれます。
ブラインドスポットインフォメーション機能もついていて、走行中に斜め後ろに車両がいるとドアミラーにマークを表示して知らせてくれます。ウインカーを出した方向に車両がいる場合は、点滅と警報音で注意を促してくれます。
衝突軽減ブレーキ(CMBS)も装備しており、直進や交差点での右左折時に車両や歩行者、自転車などを検知し、危険がある時には音と表示で警告します。もし危険が続くと判断した場合は、強力なブレーキをかけて衝突回避や被害軽減をサポートします。夜間の歩行者も検知します。
電動パーキングブレーキを搭載

新型フリードで注目したいのは、e:HEVというハイブリッドシステムに加えて、ついに電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能が搭載されたことです。これで運転席の足元がすっきりするだけでなく、ACCによる停止保持機能(渋滞追従)や、一時停止中にブレーキを踏み続ける必要がなくなるなど、かなりの便利さがプラスされています。
さらに、このオートブレーキホールド機能はヴェゼルで採用されたメモリー機能付きなので、エンジンやパワーを切っても設定がそのまま維持されるのも特徴。操作がスムーズで、毎回の設定がいらないので、使い勝手がとても良い機能です。
競合車種との安全装備比較
トヨタ シエンタ

シエンタと比較したフリードの安全装備

運転支援システム「Honda SENSING」には、衝突軽減ブレーキ(CMBS)を含む15種類の機能が搭載されており、ドライバーのサポートをしています。さらにオプションとして、後退車庫サポートとアダプティブドライビングビームも設定可能です。
コネクティビティ機能では、車載通信モジュール「ホンダコネクト」を搭載し、緊急サポートセンターでのオペレーター対応や、車内Wi-Fiなどの「ホンダトータルケアプレミアム」のサービスが利用できます。
ただし、エアーというノーマルモデルにはブラインドスポットモニターが付いておらず、オプションでも選べないのが少し残念な点ですね。夜間に歩行者を検知する機能が追加されたものの、まだ一部劣るところもあります。
シエンタの安全装備

シエンタには、全車標準で「Toyota Safety Sense」が装備されており、従来の機能に加えて、車両や歩行者、自転車だけでなく、昼間の自動二輪車も検知する「プリクラッシュセーフティ」が備わっています。また、「プロアクティブドライビングアシスト」も搭載されており、運転中のリスクを先読みして、ステアリングやブレーキ操作をサポートしてくれます。
さらに、縦列駐車や車庫入れ時に、アクセル、ブレーキ、ハンドル、シフトチェンジをすべて車両がサポートする「トヨタチームメイト アドバンストパーク」も用意されています。
「繋がる」機能も充実していて、通信機を使ったソフトウェアアップデートや、T-Connectサービスなどが利用可能です。2024年5月の一部改良では、10.25インチのディスプレイオーディオプラス、パノラミックビューモニター、スマートエントリー&スタートシステムが標準装備され、さらにデジタルキーや外部給電アタッチメントもメーカーオプションとして新たに設定されました。
シエンタには電動パーキングブレーキは装備されておらず、足踏み式のパーキングブレーキです。
まとめ
現行型のフリードには、Honda SENSINGが搭載されていますが、先代と比較すると夜間の歩行者にも対応しているのが大きな変化です。広い水平画角のフロントワイドビューカメラと前後8つのソナーセンサーで、周りを検知して衝突を防止したり、被害を軽減してくれます。

よくある質問
- 新型フリードの安全装備は?
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Honda SENSINGが搭載されていますが、先代と比較すると夜間の歩行者にも対応するなど、機能が追加されています。
- 競合車種と安全装備の違いは?
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トヨタのシエンタにも先進安全技術が搭載されています。駐車をサポートするトヨタチームメイトのようにフリードに搭載されていない機能もあります。一方でフリードには電動パーキングブレーキが搭載されているなど、シエンタにない魅力もあるのが特徴です。


