ミッションオイルの基礎知識と交換時期!効果や交換方法まで徹底解説

ミッションオイル

ミッションオイルはギアチェンジをスムーズにおこなうためにも欠かせない重要なオイルです。

ミッションオイルの役割や、種類や選び方、交換タイミングなどを紹介しています。

ミッションオイルを交換しようか迷っている人や、交換するメリットを知りたい人は参考にしてください。

目次

ミッションオイルとは?

ミッション

ミッションオイルは別名“トランスミッションオイル”のことで、MT車のギアチェンジをスムーズにする役割を果たしているオイルです。

ミッションオイルがどのような役割を持つものかや、必要な理由を紹介しています。

ミッションオイルの役割とは?

ミッションオイルは、ギアチェンジをおこなう際に円滑に操作するために欠かせないものです。

具体的には以下のような役割を担っています。

  • 潤滑
  • 冷却
  • 防錆
  • 磨耗を防ぐ

潤滑剤の役割があるため適切なミッションオイルが使われていると、部品同士の過度な摩擦なども防ぎスムーズなギアチェンジができます。

高温になるエンジンを冷却させたり、部品などの耐久年数を短くする原因となる錆を防いだりも可能です。

車の故障を防ぎ長く乗りこなすためにも、ミッションオイルは欠かせないものといえます。

ミッションオイルが必要な理由

ミッションオイルは快適に運転するために欠かせない役割を担っています。

しかし、オイルの不足や適切ではないオイルが入った状態だとさまざまなトラブルに見舞われる可能性があります。

適切なミッションオイルが使われていないときに生じる不具合は以下のとおり。

  • 異音が発生する
  • ギア切り替え時の動きが悪くなる
  • 部品が損傷する

また、部品が損傷して故障するなど危険がともなう場合もあり非常に危険です。

車本来のスムーズな運転がおこなえなくなりストレスになったりリスクがあったりとデメリットしかありません。

いかにミッションオイルが車の快適な走りを支える役割を果たしているかがわかるでしょう。

正しいミッションオイルが入っていないことで起こりうるトラブルが生じると金銭的負担や、修理などで車が使えなくなるなどデメリットが多いです。

そのため、適切なミッションオイルの使用が重要です。

ミッションオイルの種類と選び方

ミッション

ミッションオイルは車種ごとに指定されたものを選ぶ必要があります。

ここでは、ミッションオイルにはどのような種類のものがあるか特徴や選び方などを紹介しています。

愛車に適したミッションオイルの種類を知りたい方は参考にしてください。

ミッションオイルの主な種類

ミッションオイルを選ぶときは着目すべきポイントがあります。

ミッションオイル選びの主な種類は以下のとおり。

  • 規格:米国石油協会(API)が定める規格が適用。GL-1からGL-6の等級に分類。
  • 粘度:SAE規格が用いられている。車種ごとに指定されたものを使用する。
  • ベースオイル:全合成油・部分合成油・鉱物油の3種類からなる。

ミッションオイルの規格は6つの等級ごとに特徴があり、以下のとおり。

GL-1使用されることはほとんどない
GL-2使用されることはほとんどない
GL-3一部の乗用車に使用される
GL-4MT車に使用されることが多い
GL-5ディファレンシャルギアに使用される
GL-6使用されることはほとんどない

数字が大きくなるにつれ極圧添加剤の配合量が多くなっています

しかし、配合量が多いものがよいというわけではなく車種ごとに指定されているミッションオイルを選ぶことが重要です。

GL-1・2・6は使用されることはほとんどなく、GL-4・5が用いられることが多いです。

ミッションオイルの粘度を示すものには数字とWが用いられています。

数字だけが用いられるものと数字とWが使われるものがあり、100℃時点の粘度を表しているものは数字のみ、使用可能な最低温度を示すときは数字とWで表記されています。

いずれにしても、車種ごとに指定された適したものを選ぶことが重要です。

また、ベースオイルに使われる3つにはそれぞれ使われているものや性能、価格などに違いがあり以下のとおり。

  • 全合成油 :原油を精製し不純物を取り除いた高純度のオイル。劣化や酸化がしづらく、泡が発生しづらい、残留炭素が残りづらいというメリットがあるものの高価。
  • 部分合成油:ベースに鉱物油が使われ化学合成油を混ぜたもので、従来から使用されている。劣化や酸化が早く、汚れやすいものの低価。
  • 鉱物油  :鉱物油と全合成油を混ぜたオイルで酸化が早く、耐熱性能と潤滑性能は全合成油と部分合成油より劣る。価格は最も安価。

ミッションオイルのベースとなっているベースオイルは、前述したように性能などに違いがあります。

しかし、性能がよいものだと高価になるため、車の使用頻度や使い方によって選ぶのも選択肢のひとつです。スポーツ走行、長距離走行や高負荷走行などに応じて性能面と価格面を考慮して選ぶとよいです。

自分の車に適したミッションオイルの選び方

ミッションオイルは自分の車に適したものを選ばなければなりません。規格、粘度、ベースオイルそれぞれの種類や違いを把握して適切なものを選択します。

車の取扱説明書を確認すれば愛車に適したミッションオイルを確認できます。取扱説明書がない場合などは、カーショップやメンテナンス依頼をしている整備会社などで確認すると安心です。

愛車を快適に乗るために交換しても、適切ではないミッションオイルを選択するとかえって悪影響を及ぼす可能性もあるため、必ず自分の車に適したものを選びましょう。

ミッションオイルとエンジンオイルの違い

ミッションオイルとエンジンオイルは使用部位や性能による違いがあります。

  • ミッションオイル:MT車の変速機部分に使用
  • エンジンオイル :動力を発生させるエンジン内部に使用

ミッションオイルは前述したとおり、スムーズなギアチェンジをおこなうために欠かせないもので、エンジンオイルは“潤滑・冷却・清浄・防錆・密閉”などの役割を担っています。

どちらも車の故障を防ぎ快適に乗りこなすために必要不可欠なものなので、車種ごとに適したものを選ぶことが重要です。 

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ミッションオイル交換のタイミング

ミッション

ミッションオイルは適切なタイミングで交換することが重要です。

交換タイミングは大きく3つあり、走行距離・前回交換時期に応じて交換する場合と、違和感が生じた場合です。

適切な走行距離と、どのような違和感があったときが交換タイミングとなるか確認してください。

【MT】ミッションオイル交換タイミング

MTのミッションオイル交換の目安となる走行距離はおよそ2万㎞から3万㎞です。

また、前回交換した時期から2年が経過したら交換タイミングです。

そのため、走行距離か前回交換時期のいずれか早い方を基準にしましょう。

ただし、走行距離や前回交換時期を待たずして交換した方がよい場合もあります。

ギアチェンジが以前のようにスムーズにおこなえなくなったと感じる場合や、異音が発生する場合などは違和感を感じたらすぐに交換するのを推奨します。

とくに、日常的に長距離運転をする人などは使用頻度が多く劣化する時期も早まる傾向なので、注意しておくとよいです。

あまり距離を走らない人は2年に1回の車検時期に交換すると忘れずに済みます。

【AT】ミッションオイル交換タイミング

AT車専用のミッションオイルをATFといいますがMT車のミッションオイルと同様、交換時期に達したら交換することが重要です。交換タイミングは走行距離がおよそ2万㎞から3万㎞のときか、前回交換時期からおよそ2年のタイミングがよいです。

オートマチックトランスミッションの故障や、燃費性能の低下を防ぐためにも忘れないようにしておきましょう。

ミッションオイル交換の方法と注意点

ポイント

ミッションオイルを交換するときは注意点を把握しておく必要があります。大前提として自分での交換は避け、プロに依頼するのが好ましいです。

交換する際の注意点をしっかり理解して、適切な行動をうつしましょう。

交換時の流れ

ミッションオイルを交換するときはまず、自分で交換するか業者に交換依頼をするかを選びます。

詳細は後述しますが、ミッションオイルの交換はプロに依頼するのが望ましいです。自分で交換する場合に必要なこと、プロに依頼するときの流れをそれぞれ紹介します。

自分で交換する場合

  1. 必要な道具を揃える
  2. 作業スペースに駐車しジャッキアップする
  3. フィラープラグを緩める
  4. 古いオイルを抜く
  5. ドレンを閉めてオイルを注入する
  6. 試乗し違和感がないか確認

工具を始め紹介した種類や選び方に合ったミッションオイルを揃えるなど必要なものを揃えることから始めなければなりません。

また、作業できるスペースを確保したり、道具を揃えることで出費が必要になったりすることも押さえておきましょう。

プロに依頼する場合

ミッションオイルの交換をプロに依頼するときは、対応してくれるところを探すことから始めましょう。

対応してくれるところとして以下が挙げられます。

  • ディーラー
  • 自動車整備工場
  • カー用品店
  • ガソリンスタンド

ミッションオイル交換に対応しているか確認するときは併せて料金もチェックしておくとよいです。

また、予約が必要な場合は事前予約をしてから店舗に向かいましょう。

交換の注意点

繰り返しになりますが、ミッションオイルは自分で交換するのは避けた方がよいです。車の下に入って作業をしたり、正しい手順で作業したりと知識も必要です。

場合によっては思わぬ事故や怪我をする可能性もあり、非常に危険なので推奨できません。道具一式を揃える手間や費用、リスクがともなう点などを考えたら知識がない状態で自分で交換するメリットはないです。

また、古いミッションオイルは産業廃棄物として扱わなければならず、適切に処分しなければなりません。

そのため、ミッションオイルは知識と技術を持ち合わせたプロに任せるようにしましょう。

プロに依頼する方がよい

ミッションオイルの交換が必要なときはプロに依頼しましょう。プロに任せておけば自分の車に合ったオイルの種類などを把握していなくても、適切なものを選んで交換してもらえます。

作業時間はおよそ30分前後で済むことが多く時間もかからないので、負担になりません。

プロに依頼するときは作業時間や、料金などを事前に確認しておくとスムーズです。

ミッションオイルは交換しない方がよい?

ミッションオイルは定期的に交換した方がよいです。前述したように、走行距離か前回の交換時期、違和感が生じた際の交換がおすすめです。

ミッションオイルを交換しないと、ギアの操作時に不具合が発生する可能性があります。

動きが悪くなったり、異音がしたり、ギアが破損することも考えられるので然るべきタイミングで交換しましょう。

交換しないで故障した場合の方が修理費などで余計に費用がかかるため、定期的な交換を意識しておくとよいです。

プロに依頼する際の費用相場

料金

ミッションオイルをプロに依頼すると、およそ1万円から3万円の費用がかかります。

費用に含まれるものとして、オイルなどの部品代と作業工賃が挙げられます。

しかし、車種などによっては専用のオイルが必要な場合もあり、価格が高いものを使用しなければならない場合もある点は把握しておきましょう。

ミッションオイル交換のメリット

メリット

ミッションオイルを交換するとメリットがあります。

具体的なメリットは以下のとおり。

  • 燃費の向上
  • ミッションの寿命延長
  • スムーズな走行性能の向上

いずれも運転するうえでうれしい特徴なので、適切なタイミングに合わせて交換しましょう。

燃費の向上

ミッションオイルは時間の経過にともない酸化していきます。

古い状態のものを使い続けていると、本来のパフォーマンスを発揮できず動きも悪くなります。

故障を防ぐだけでなく燃費の向上にもつながるなどプラスの効果も期待できるので、迷わずに交換するのが吉です。

ミッションの寿命延長

ミッションオイルを換えずに使い続けていると故障するリスクがあると前述しましたが、言い換えると良好な状態に保つこともできるということです。

定期的な交換をおこなえばミッション自体の寿命が延び長く使用できます。

修理費用などは高くなる傾向なので余計な出費を増やしたくないなら、ミッションオイルを定期的に交換して大切に取り扱うことが重要です。

スムーズな走行性能の向上

ギアチェンジがスムーズにおこなえないと動かすたびに余計な力が必要だったり、ストレスがかかったりとデメリットが多いです。

ですが、ミッションオイルを交換するとギア本来の動きが可能で、スムーズに操作できます。

とくに、MT車はギアチェンジがより運転の楽しさを引き立てるものなので、スムーズな動きができればドライブもより楽しめます。

よくある質問

どのくらいの頻度で交換すれば良い?

走行距離がおよそ2万㎞から3万㎞を達した時点か、前回交換した時期から2年が経過したら交換のタイミングです。ギアチェンジをするときに異音が聞こえたり、動作がスムーズにおこなえないなど不具合が生じたらすぐに交換することが重要です。

交換を怠るとどんなリスクがある?

ギアの操作時に不具合が発生する可能性があります。また、ギアチェンジをするときの動きが悪くなったり、異音がしたり、ギアが破損するなど故障するリスクが高まります。

エンジンオイルと同時交換は必要?

エンジンオイルは走行距離が5,000㎞を超えたときか、前回交換から6ヵ月経過したときが交換のタイミングです。

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