「ランクル」の愛称で知られるランドクルーザーはトヨタが1951年から製造している歴史あるクロスカントリー車です。今回はそんなランドクルーザーの特徴や魅力に迫ってみます。
合わせて2024年にも登場するのではないかという新型ランドクルーザーの情報もチェックしてみましょう。
ランドクルーザーとは?

画像引用元:ランドクルーザー|トヨタ自動車WEBサイト
ランドクルーザーとはどのような車なのかから見てみましょう。
トヨタの大型クロスカントリー車
ランドクルーザーはトヨタ自動車が1951年(昭和26年)から製造・販売している大型クロスカントリー車です。当時は警察予備隊向けの車両として誕生し、初めて富士山6合目まで上り詰めた車になりました。
1989年から発売された80系は、内外装の質感も向上して、高級SUVへ路線変更されています。その後、1998年からの100系は本革のシートが採用されるなど、トヨタの最高峰のSUVとなります。
本格SUVは変わらずに、高級車として名称を変えずに世界170カ国で愛される車になっています。
耐久性が非常に高い車
ランドクルーザーの魅力は耐久性が非常に高いことです。過酷な自然の中にあってもひるむことなく前進します。むき出しの岩山、行く手を遮る河川、極寒の雪原、灼熱の太陽に照りつけられる砂漠、砂塵が飛び交う荒野、急斜面の山肌などもなんのその。果敢にチャレンジします。
世界中どんな環境にも耐えられ、成長を続けるランドクルーザーは「どこへでも行き、生きて帰ってこられる車」として、抜群の耐久性を誇ります。悪路走破用の車として作られていることもあり、少々のことでは故障しません。
海外でも「丈夫」「長持ちする」と高い評価を受け、日本より過酷な条件の下、走行することがありますが、しっかり持ちこたえ、壊れにくくなっています。
存在感抜群
ランドクルーザーは存在感抜群の車です。がっしりとした外観、堂々とした品格のある佇まい、力強い走りは、灼熱の砂漠や凹凸のある山道だけでなく、都会でもひときわ目立ちます。思わず「すごい車だな」と声も上がりそうです。
少し無骨な感じはあるものの、無骨さは丈夫さを表します。どんな過酷な状況にも耐え抜く車として、ますます存在感を発揮しながら、活躍するでしょう。
ダカールラリー2021の市販車部門で優勝

画像引用元:チームランドクルーザー [トヨタ車体]
ランドクルーザーはダカールラリー2021の市販車部門で優勝しました。
ダカールラリーとは灼熱の砂漠や硬い岩場の連なる山岳地帯など、道なき道を走破する世界一過酷なクロスカントリーラリーです。ダカールラリーの完走率は5割にも満たないと言われますから、その中で優勝するのは特筆すべきことです。
ダカールラリーとは?
ダカールラリーでは、約2週間の期間をかけながら総走行距離約8,000kmを走り切ります。地球一周の1/5にも相当する距離です。1日の走行距離だけでも1,000kmに及ぶことがあります。
トヨタのチームランドクルーザーは1995年以来、ダカールラリーの市販車部門に参戦しています。市販車部門とは、安全装備の追加などの例外を除き、市販車に近い状態で走ることを前提にした部門です。
ダカールラリー2023でも優勝
トヨタのチームランドクルーザーはその後も、2022年ダカールラリー、2023年ダカールラリー市販車部門で優勝し、10連覇を成し遂げています。
チームランドクルーザーは、前半戦では転倒やステアリング系のトラブル、駆動系のトラブルと困難も続きましたが、クルーの粘り強い走りとメカニックの懸命な作業で乗り越えました。
ダカールラリー2023に参戦したのはランドクルーザー300。幾多のトラブルには遭遇しましたが、「なんとしてもランドクルーザー300で日本に優勝を持ち帰る」というチーム全体の強い思いとメカニックの懸命な作業により、見事ワントゥーフィニッシュを果たしました。

ランドクルーザーの歴史

画像引用元:ランドクルーザー|トヨタ自動車WEBサイト
ランドクルーザーの初登場は1951年。現在に至るまでおよそ70年の歴史を経ていますが、これまでの車種の経緯を振り返ってみましょう。
最初の名称は「トヨタジープBJ」だった
登場した当時のランドクルーザーの名称は「トヨタジープBJ」でした。警察予備隊への納入を狙った車でしたが、三菱ジープに負けてしまいました。
そこでトヨタジープは国家警察(警察庁の前身)の関係者を呼んで、「トヨタジープBJ」で富士山の6合目まで登ってみせたのです。この快挙を受けて、国家警察のパトロールカーに採用されました。
その後「ジープ」という名称が他社の商標権に触れることが分かったので、名称を「ランドクルーザー」に変更し、その名称が今でも使われています。
ランクル20・30系
1955年〜1960年に登場したのがランクル20・30系です。特徴はボディーがショートで、機動性が向上し、居住スペースが広がっていること。ランクル20・30系頃から、輸出が好調になり始めました。
ランクル40系
ランクル20系の後継モデルとして誕生したのがランクル40系です。時期は1960年から1984年に当たります。
エンジンは旧型を少し改良して、そのまま採用しています。1974年にはオイルショックの影響を受け、ガソリンエンジン以外にディーゼルエンジンを搭載したランドクルーザーも登場しました。国内の登録台数が増えたのもこの頃です。
ランクル55系
ランクル40系とともに並行販売されたのがランクル50系です。ロングボディが特徴で、静粛性と乗り心地を兼ね備えた四輪駆動車として開発されました。
エンジンはFJ40系で使われていたF型エンジン(水冷直列6気筒4サイクル3878cc)を継承してそのまま採用しています。
ただ、ランクル50系はディーゼルエンジンを搭載しなかったこともあり、国内の売れ行きが伸び悩み、現在でも中古車を見つけるのが難しくなっています。
ランクル60系
ランクル60系はランクル55系の後継モデルで、1980年~1989年にかけて販売されました。ステーションワゴンを目指して開発されたモデルです。
当初ショート・ミドルの40系と、ロングボディーの60系という形で並行販売されていましたが、40系はランクル70系へ移行しました。その結果、本格派オフロード生活派のランクル70系と乗用車スタイルの四輪駆動車のランクル60系という形での並行販売に変わりました。
ランクル60系から選択できる外装・内装も充実し、ラインナップも増えています。
ランクル70系
ランクル70系はランクル40系の後継モデルです。販売時期は1984年〜2004年と2014年〜2015年です。
70系ではショート・ミドル・セミロングの3種類があり、エンジンはディーゼルとなっています。2014年8月には異例の国内再販も行われています。2023年に再販が予定されているモデルです。
ランクル80系
ランクル80系はランクル60系の後継モデルです。販売時期は1990年でした。
タイプは4ドアロングボディ。70系との並行販売となり、80系は「静粛性と乗り心地を兼ね備えた四輪駆動車80系」という立ち位置でした。
ランクル80系の特徴はサスペンション。リーフリジットサスペンションからコイルリジットサスペンションへと変更になっています。乗り心地と走行安定性を求めてのことでした。
現在でも80系のサスペンションの評価は高く、日本だけでなく世界中で根強い人気を維持しています。
ランクル100系
ランクル100系はランクル80系の後継モデルです。販売時期は1998年~2007年でした。
ランクル100系ではフロントに独立懸架方式のサスペンションを採用しています。結果として、乗り心地と高速安定性がさらに増しました。
100系も70系との並行販売になりましたが、100系は高級感、静粛性、高速安定性を兼ね備えたモデルとしての位置づけになっています。
ランクル200系
ランクル200系はランクル100系の後継モデルです。販売時期は2007年〜2021年です。
200系のフロントサスペンションは100系と同じく独立懸架方式ですが、あらたにコイルスプリング式が採用されました。
ランクル200系はトヨタの持つハイテク技術を集大成したモデルです。オフロード走行時での極低速を維持、高速安定性とオフロード性能という相反する性能を兼ね備えるなど、優れた車になっています。そのほか、安全装備や快適装備も向上しました。
高度な技術で製造されたランドクルーザー200系は生産終了後も高い評価を受け、人気車になっています。
ランクル300系
ランクル300系はランクル200系の後継モデルで、ランクル生産70周年の節目である2021年夏に販売が開始されました。ダカールラリー2023で優勝したのがまさしくランクル300系です。
300系の特徴は高度な悪路走破性。最高の悪路走破性を誇ると言われたランクル80系を超えています。様々な再設計や新採用なども加え、ハイテク技術を駆使した世界最高水準の悪路走破性をもたらします。

ランドクルーザーの特徴

画像引用元:ランドクルーザー|トヨタ自動車WEBサイト
現行ランドクルーザーの特徴に迫ってみましょう。
力強さのあるエクステリア

画像引用元:ランドクルーザー|トヨタ自動車WEBサイト
ランドクルーザーのエクステリアの特徴は、フラグシップSUVにふさわしい力強さ、たくましさ、品格ある佇まいの融合です。前後バンパー下端を下げて、フロント、サイド、リヤ下端への流れをスムーズにして、水平基調による骨太な力強さを表現しています。
ラジエータグリルとヘッドランプは高い位置に配置され、オフロード走行時の破損を防止。デザインは押し出しが強く、どーんと存在感を放っています。
クリアランスランプとタイムランニングランプはシームレスにつながり、L字型に発光。特徴的な光でオフローダーの目元を明るく照らしつけます。
リヤは厚みのある堂々としたスタイルです。端正な水平基調のデザインで、機能美と力強さを表現しました。リヤランプは大型で水平基調になっていて、被視認性を考慮しています。
上質なインテリア

画像引用元:ランドクルーザー|トヨタ自動車WEBサイト
ランドクルーザーのインテリアは操作性を重視した作りになりながらも、機能美にあふれています。
まずインパネ上部は水平基調になっていて、過酷なオフロード走行時の車両姿勢をつかみやすい形状になっています。走行・駆動系スイッチは集約し、モニターと合わせて見やすく操作しやすい位置に配置。オーディオ・空調系スイッチは直感的な操作ができる配置になっています。
イルミネーテッドエントリーシステムが搭載されていて、ドアロック解除に連動して、室内照明が点灯します。ドライバーや同乗者を快く迎えてくれます。
フロントシートは電動で様々な調整が可能。前後スライド・リクライニング・シート上下・座面前端上下など無段階の調整ができ、快適なポジションを確保できます。
フロントシートバックには高精細11.6型ディスプレイを設置。前席と同じ映像、異なる映像など様々な映像を楽しめます。
ムーンルーフはスイッチ1つで簡単に開閉できます。室内に爽やかな風と光を取り込めるほか、音声認識操作も可能です。
このほかにも現行ランドクルーザーには優れたインテリア機能が満載。運転して楽しい、乗って楽しい車です。
悪路も安心なオフロード性能
ランドクルーザーは悪路を走るための車ですから、オフロード走行に役立つ機能がいろいろ搭載されています。
まずマルチテレインセレクトは6つのモードで走行支援を行います。タイヤの空転によるスタックや駆動力不足により失速などの状況に応じて、AUTO/DIRT/SAND/MUD/DEEP SNOW/ROCKから選択可能です。
中でもAUTOモードはドライバーがモード切替をしなくても、自動的に走行シーンに合わせた走破性能を引き出してくれます。
マルチテレインモニターは4つのカメラで車両周囲の状況確認をしてくれるシステムです。死角になりやすい車両周辺の路面状況や障害物の検知がしやすくなり、悪路でも運転がしやすくなります。
後輪にトヨタ初のアンダーフロアビューが搭載されているのもランドクルーザーです。手前で撮影された過去のフロントカメラ映像に現在の車両周辺の映像を合成できる機能で、車両下の状態や前輪の位置を確認できるようになっています。
さらに車両を透過し、後輪周辺をクローズアップして表示させる機能も加わりました。
安全性能
ランドクルーザーには抜群の安全性能が備わっています。
前方の車両や歩行者(昼夜)、自転車(昼)をミリ波レーダーと単眼カメラで検出し、警報ブザーとマルチインフォメーション・ディスプレイで警告。警告にしたがってブレーキを踏めた場合は、プリクラッシュブレーキをアシストします。ブレーキを踏めない場合は、プリクラッシュブレーキを作動させ、衝突回避へ向かわせます。
交差点右折時に直進してくる対向車や右左折時の対向方向から横断してくる歩行者はミリ波レーダーと単眼カメラで検出。ブザーと表示で衝突の危険性を通知し、その後プリクラッシュブレーキを作動させ、衝突を回避させます。
緊急時操舵支援機能では、歩行者、自転車運転者、車両と衝突の危険が生じたときに、ドライバーの回避操舵を支援し、車両の安定性を確保し、車逸脱を防ぎます。
低速時加速抑制機能では、まず低速時に自車の直前にいる歩行者、自転車運転者、車両をミリ波レーダーと単眼カメラで検知。障害物が前方にある状態で低速時や徐行状態からアクセルを強く押し込んだときは、エンジン出力を抑制したり、弱いブレーキをかけたりします。衝突を回避するための機能です。
価格
現行ランドクルーザーの価格を確認しておきましょう。
トヨタの公式サイトによると、ランドクルーザーの価格はエントリーモデルで5,100,000円(税込)、最高レベルのもので8,000,000円(税込)となっています。
悪路走破性に優れ、どのような状況でも走破ができると言うだけに、普通車のような価格というわけにはいきませんね。ラグジュアリーモデルらしい価格帯になっています。
ランドクルーザープラドとの違い
ランドクルーザーの兄弟車にランドクルーザープラドがあります。兄弟車とは言え、違う部分が多いので、以下にまとめてみましょう。
車の特徴 | ランドクルーザー(ZX・4WD・5人乗り) | ランドクルーザープラド(TZ-G・4WD・7人乗り) |
フロントマスク | 横の水平基調 | 縦のライン |
ヘッドライトやテールライト | 水平 | 縦 |
ボディサイズ(全長・全幅・全高/mm) | 4,985・1,980・1,925 | 4,825・1,885・1,835 |
コンセプト | 山道や悪路を走行する | SUVの要素を持ち、ファミリカーとして利用する |
インテリア | 大きくて迫力がある | スマートでスタイリッシュ |
乗車定員 | 2列シートの5人もしくは3列シートの8人 | 2列シートの5人もしくは3列シートの7人 |
カタログ燃費(WLTCモード・km/L) | 9.7(ディーゼルモデル) | 11.2(ディーゼルモデル) |
エンジンの特徴 | 最高出力と最大トルクが大きい | パワフルでありながらも、排出ガスをクリーン化、低燃費になっている |
ランドクルーザー200の乗り心地
ランドクルーザー200は、走破性の高さはそのままに内装の質感を向上させているので、オンロードでの乗り心地も高められています。
ラダーフレームを採用して、剛性が高くなりながらも、振動伝達の低減を図るなど乗り心地に影響する部分の改善も行われています。
乗り心地に影響する装備として「AVS」という制御があり、通常走行時は乗り心地を重視した減衰力になりますが、旋回時に姿勢変化を抑えてくれる機能が搭載されました。
乗り心地をさらに快適にするオプション
乗り心地をよくするオプションには、ZXにメーカーオプションとなっているリアシートエンターテイメントシステムがあります。後席に11.6型のディスプレイとリモコンがあり、後席に座った人がドライブ中に快適に過ごせる装備です。
その他に、トヨタの乗用車に装備できるプラズマクラスター搭載LEDルームランプを装着すれば、快適空間を作り出せるでしょう。
2024年前半には新型が登場する予定
新型のランドクルーザーが2024年前半にも登場すると言われています。どのような車になるか、予想してみましょう。
70の復刻

画像引用元:トヨタ | グローバルニュースルーム
トヨタはランドクルーザー70の復刻を予定しています。2014年にも復刻販売が行われましたが、このときは1年間の期間限定発売でした。
復刻版では最新のディーゼルエンジンを搭載し、新しい法規や排ガス規制にも対応しています。
公開は2023年8月2日で、発売予定は11月です。ランドクルーザー70は悪路での耐久性や走破性に優れた車ですから、今から復刻版が楽しみです。
250はランドクルーザープラドの後継

画像引用元:トヨタ | グローバルニュースルーム
新型のランドクルーザー250シリーズが2023年8月2日に公開されました。こちらは2024年前半の発売予定です。
ランドクルーザー250は実質的にはランドクルーザープラドの後継車になるのですが、プラドの名称が外されてのスタートになります。
ランドクルーザー250の開発テーマは「原点回帰」。伝統とモダンを融合したデザインになりそうです。
ランドクルーザーをお得に購入する方法
ランドクルーザーの価格は非常に高いので、なかなか手が出しにくい面がありますが、お得に購入する方法があるので、紹介しましょう。
低金利ローン
高価なランドクルーザーは、キャッシュで一括よりもローンを利用する方が一般的です。しかしローンは便利な支払い方法といっても、金利手数料が発生します。そこでおすすめなのが低金利ローンです。
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