12か月点検は、車を安全に使用し続けるために必要な定期的なメンテナンスの一環です。法的には義務付けられていないものの、点検を受けると故障や不具合を未然に防ぎ、長期的な車の安全性を確保できます。
とくに、車検とは異なるポイントを確認することで、日常の走行で発生するトラブルを早期に発見できます。
この記事では、12か月点検の詳細や点検内容、費用などについて徹底解説するので、ぜひ参考にしてください。
\愛車のメンテナンスについてはこちら /
カミタケモータース公式サイト

12か月点検とは?

12か月点検は、車を使用してから1年ごとに受けることが推奨される定期点検です。点検では、車の安全性や性能維持に必要な主要な部分をチェックし、トラブルや劣化を未然に防ぐことが目的です。
法律で義務化されている車検とは異なり、12か月点検は所有者が自主的に受けることを推奨されています。
定期的な点検をおこなうことで、車の寿命を延ばし、突発的な故障を避けられます。そのため、車を安全に維持したいすべてのドライバーにとって重要な役割を果たします。
12か月点検の目的と法律での義務
12か月点検の主な目的は、車の安全性と性能を維持することです。車は日々使用されるなかで、エンジンやブレーキ、タイヤなどが徐々に劣化し、故障のリスクが高まります。
12か月点検では、そうした部品やシステムの状態を確認し、必要に応じて修理や交換をおこなうことが求められます。
法律的には12か月点検は義務ではありませんが、道路運送車両法により、所有者は車を安全な状態で維持しなければなりません。
12か月点検を受けることで、その責任を果たせるようになります。
12か月点検と車検や24か月点検との違い
12か月点検は、車検や24か月点検と混同されることがよくありますが、それぞれ目的や内容が異なります。
車検は法律で義務付けられており、主に車両が法的な基準を満たしているかどうかを確認するものです。
一方、12か月点検は、日常的な使用による故障や劣化を早期に発見し、安全性や快適性を維持するための点検です。
検査する項目は、以下のとおり。
【検査項目】
- ブレーキペダル
- ステアリング装置
- ホイールやクラッチ
- バッテリー
- エンジン本体
そのほかにも、運転に必要なすべてのものが点検対象です。24か月点検は車検に含まれるもので、12か月点検よりもさらに細かいチェックがおこなわれるものです。
12か月点検は、車検前に実施することで、より安心して車を使用できる環境を整えられます。点検が完了すると、円状のシールを貼り付けして、点検が完了した証となります。

12か月点検を受けなければ罰則はある?

12か月点検は法律で義務付けられていないため、受けなくても直接的な罰則はありません。
しかし、点検を怠ると、故障や重大な事故を引き起こすリスクが高まります。
もし整備不良が原因で事故が発生した場合、所有者の責任が問われることもあり、結果的に罰金や修理費が高額になる可能性もあります。
安全な運転環境を保つためにも、12か月点検を定期的に受けることが重要です。
12か月点検で点検される主な項目

12か月点検では、さまざまな項目が対象です。
主な項目を紹介すると、以下のとおりです。
【12か月点検の点検項目】
- 室内
- エンジンルーム
- 下回り
- 足回り
それぞれが安全な走行に欠かせない重要な項目なので、点検することが大切です。
室内
室内の点検では、主に運転操作に直接影響を与える装置の状態を確認します。
具体的には、以下のことがおこなわれます。
【室内点検で確認する項目】
- ハンドル
- ブレーキ
- シートベルト
- 警告灯
これらの装置が正常に作動していない場合、走行中に操作がうまくいかず、事故につながる可能性があります。
また、エアコンやデフロスターなどの快適装備も点検されるため、長距離運転を快適に過ごすためにも、室内の点検は重要です。
エンジンルーム
エンジンルームの点検は、車の動力源であるエンジンの状態を確認するためにおこなわれます。エンジンオイルや冷却水の量や劣化具合、ベルトの緩みや損傷、バッテリーの電圧などがチェック項目です。
これらが適切に機能していないと、エンジンが正常に動かなくなり、最悪の場合走行中にエンジンが停止してしまうことも。
定期的な点検をおこなうことで、重大な故障を未然に防げます。
下回り
下回りの点検では、車両の底部にある重要な部品の状態を確認します。排気系統やサスペンション、ドライブシャフトなどが主なチェック項目です。
これらの部品が劣化していると、車のバランスが崩れたり、異音が発生したりすることがあります。
また、錆が発生しやすい箇所でもあるため、防錆対策の確認も行われます。長期間使用する車にとって、下回りの点検はとくに重要です。
足回り
足回りの点検では、タイヤやブレーキの状態が確認されます。タイヤの空気圧や摩耗具合、ブレーキパッドやブレーキオイルの状態が主なチェック項目です。
これらが適切に管理されていないと、走行中にタイヤがバーストしたり、ブレーキが効かなくなったりする危険性があります。
定期的に足回りを点検し、異常があれば早めに交換や修理をおこなうことで、安全な走行を維持できます。
12か月点検を受けるメリット

12か月点検には、多くのメリットがあります。
【12か月点検を受けるメリット】
- 故障に早く気が付ける
- 法的リスクを回避するための重要性
- 査定にも影響することがある
単に車を点検するだけでなく、長期的な視点で車の維持や安全を確保するために非常に重要です。
故障に早く気がつける
12か月点検を受けることで、車の小さな不具合や劣化に早めに気付けます。日常の使用では気づかない細かな部分も、プロの点検を受けることで発見され、修理や交換が必要な場合は早急に対応可能です。
大きな故障や事故を未然に防ぎ、結果的に修理費用を抑えられます。
点検を怠って故障が発生すると、修理費用が高額になるだけでなく、走行不能になることもあるため、早期発見のメリットは大きいです。
法的リスクを回避するための重要性
12か月点検は法的に義務ではありません。しかし、点検を受けないままで車両不具合が原因の事故が発生した場合、所有者に重大な責任が生じる可能性もゼロではありません。
道路運送車両法では、「車両所有者に適切な整備」を求めているため、点検を怠ることは法的リスクを伴います。
適切な点検を定期的におこない、車を安全な状態に保つことで、万が一の事故や故障による法的責任を回避できます。
査定にも影響することがある
12か月点検をしっかりと受けている車は、中古車として売却する際の査定にもプラスに働くことが多いです。
点検整備記録が残っていることで、購入者にとって信頼感を与えられるため、査定額が高くなる可能性があります。
定期的に点検を受けている車は、状態が良好であることが証明されやすく、長く乗り続けられる車として評価されます。
逆に、点検整備記録が不十分な車は、状態に不安が残るため、査定額が低くなることも。定期的な12か月点検を実施しておくことは、将来的な車の売却時にもメリットがあるので、受けることをおすすめします。

12か月点検の費用と時間

12か月点検を受ける際には、費用や所要時間について事前に知っておくとスムーズに進められます。そこで、一般的な費用や点検時間を解説するので参考にしてください。
12か月点検の平均的な費用はどれくらい?
12か月点検の費用は、車種や点検する業者によって異なりますが、一般的には1万円から3万円程度が相場です。費用には、点検に加えて消耗品の交換やオイル交換などが含まれる場合があります。
また、高級車や特殊な車両の場合、部品の交換費用が高くなるため、費用も高額になる傾向があります。
点検時に修理が必要な箇所が見つかると、その修理費用が別途かかることもあるので、あらかじめ予算を確保しておくと安心です。
ディーラーと整備工場での費用比較
12か月点検は、ディーラーでも民間整備工場でも受けられますが、費用は若干異なります。
ディーラーでの点検は、正規のパーツや専用の設備を使用するため、整備工場よりも費用が高めになることが多いです。ディーラーでの点検費用は、通常2~3万円程度が相場ですが、メーカーによっては点検パックや割引サービスが提供されていることもあります。
一方、民間整備工場では、ディーラーに比べて費用が抑えられることが多く、1万円から2万円程度で点検を受けられる場合が一般的です。
しかし、整備工場によっては設備や技術に差があるため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
点検にかかる時間
12か月点検にかかる時間は、車の状態や点検内容によって異なりますが、通常は1時間から2時間程度になります。
車両の状態が良好であれば短時間で終了することが多いですが、追加の修理やメンテナンスが必要な場合、さらに時間がかかることがあります。また、点検内容やメンテナンスによっては、半日〜1日ほどかかることも珍しくありません。
その際は、別途代車を借りることになります。ディーラーや整備工場では、事前に予約をしておくことでスムーズに点検を進められ、待ち時間を短縮可能です。
12か月点検をどこで受けるべき?

12か月点検を受ける場所は、ディーラーや民間整備工場、そして自分で点検をおこなう選択肢があります。それぞれのメリットとデメリットを理解して、最適な方法を選びましょう。
ディーラーでの点検の利点
ディーラーでの12か月点検は、車両メーカーの正規の技術者が対応するため、安心感が得られる点が大きなメリットです。ディーラーはメーカーからの最新情報に対応しており、純正部品を使用してメンテナンスをおこなうため、信頼性が高いです。
とくに、新車や高価な車両の場合、正規のディーラーで点検を受けることが推奨されます。
また、ディーラーでは専用の点検プランが用意されていることが多く、長期的なメンテナンス計画を立てやすいという利点もあります。
民間整備工場での点検のメリットと注意点
民間整備工場での12か月点検は、ディーラーに比べて費用が安く済むことが多いです。とくに、比較的古い車やメーカー保証が切れている車の場合、コスパを重視して民間整備工場を選ぶケースが増えています。
整備工場によっては、高い技術を持った職人がいるところも多く、信頼性の高いサービスを提供している場合もあります。
しかし、整備工場の技術や設備に差があるため、信頼できる業者を選ぶことが重要です。それに、正規ディーラーに比べると、整備が劣ることもあります。
仮に民間整備工場を選ぶ場合は、口コミやレビューを参考に、実績のある工場を選ぶと安心です。
自分でも点検できる?
12か月点検の一部は、自分でも確認できます。
具体例をあげると、以下のとおりです。
【自分でも点検できる部分】
- タイヤの空気圧
- エンジンオイルやウォッシャー液の量
- ブレーキの利き具合
- テールランプの寿命
これらの基本的なチェック項目は、自分で点検できます。ただ、専門的な知識や設備が必要な部分も多いため、すべてを自分でおこなうことは難しいです。
基本的なメンテナンスは自分でおこないながら、重要な箇所の点検はプロに任せるのがベストです。
自分で点検を行う際は、メーカーのマニュアルを参考にし、安全を第一に心がけましょう。
12か月点検の予約とスムーズな進め方

12か月点検をスムーズに進めるためには、事前の準備と適切な予約が重要です。ここでは、予約のタイミングや必要な準備について解説するので、参考にしてください。
点検を予約するタイミングの目安
12か月点検は、車を購入してから、もしくは車検を受けてから1年を目安に受けるのが一般的です。そのため、点検の時期が近づいたら早めに予約をしましょう。
とくに、繁忙期や年末年始などは、予約が埋まりやすいため、1か月前には予約を入れておくと安心です。
車の使用状況や走行距離によっても点検の時期を調整できるので、普段の運転環境を考慮して適切なタイミングで予約を入れることをおすすめします。
予約時に確認しておきたいこと
点検を予約する際には、いくつか確認しておきたいポイントがあります。まず、点検にかかる費用や時間について確認しましょう。
それぞれ確認し、自分のスケジュールに合わせて計画を立てることが重要になります。
また、点検時に車を預ける必要がある場合、代車の手配が可能かどうかも確認しておくとスムーズです。基本的には数時間で終わる点検でも、場合によっては1日以上かかることがあるためです。
さらに、車の状態や気になる箇所があれば、事前にスタッフに伝えておくことで、点検時に細かくチェックしてもらえます。
点検当日の流れと必要な書類
点検当日は、予約時間に合わせて車を持ち込むことが一般的です。
流れを簡単にまとめると、以下のとおりです。
【点検当日の流れ】
- 車検証・整備ノートをもって工場に車を持ち込む
- 点検の実施
- 問題なければ車の返却
- メンテナンスが必要な場合はその場で修理
ディーラーや整備工場では、点検の進行状況を確認できる場合もあるので、待ち時間を有効に活用できます。
点検当日に持参する必要がある書類は、以下のとおりです。
【点検当日に必要な書類】
- 車検証
- 点検費用
- 過去の整備記録(任意)
- 点検整備ステッカー(任意)
これらを事前に準備しておくことで、手続きがスムーズに進みます。
また、点検終了後に整備内容を確認し、必要に応じて修理や部品交換をおこなうことが重要です。
まとめ:点検はプロにまかせよう
12か月点検は、車の安全性と長寿命を維持するために欠かせないメンテナンスです。
日常的な走行で発生する故障やトラブルを未然に防ぐためにも、定期的な点検をプロに依頼しましょう。
ディーラーや整備工場の選択肢を検討し、信頼できるプロに任せることで、安全なドライブ環境を維持できます。
点検を怠らず、車を長く大切に乗り続けるためにも、12か月点検を受けることが大切です。
\愛車のメンテナンスについてはこちら /
カミタケモータース公式サイト


よくある質問
- 期間が過ぎた場合は?
-
12か月点検は車検のように、明確に期間が決められているわけではありません。そのため、1年経過しても点検を受けられます。しかし、1年経過したタイミングで点検を受けることが理想なので、あらかじめ予定を組んでおくとスムーズです。
- 点検シールはどこに貼る?
-
点検したことが分かるように、目立つ場所に貼っておくことをおすすめします。
一般的に、フロントガラスに貼り助手席上に貼りましょう。ダイヤルステッカーは期限切れのものを貼ってはいけないので次回点検時期に注意しましょう。
