軽自動車の寿命は?延命方法と寿命を迎えた時の対処法

軽自動車寿命

軽自動車は普通車に比べて寿命が短いのか気になります。軽自動車は普通車と比較すると、寿命が短いともいわれていますし、実際に早めに乗り換えを検討する方もおられるでしょう。

この記事では、軽自動車の寿命の目安となる状況について解説します。さらに車の寿命を左右する点についても解説します。

目次

軽自動車の平均寿命とは

正面から見た軽自動車

一般的に、メンテナンスを欠かさずに行っている車であれば、安全性や経済性を考慮にいれても10年または走行距離10万km程度が平均的な目安と言われています。軽自動車の寿命は、明確な基準が存在しておらず、車の状態や使用状況によって大きく変わります。

また、近年は技術進歩により軽自動車の性能が向上していて、適切なメンテナンスを行えば20年以上乗ることも可能と言われています。

軽自動車は、ボディサイズの制限があり、なおかつ低燃費を実現させるため軽量化されています。それで普通自動車よりも耐久性の低い部品を使っているため、寿命も普通自動車の7割〜8割程度と言われているのです。

ただし10年10万kmに到達したからといって車が使えなくなる訳ではなく、メンテナンスにかかる費用と手間、そして他の故障のリスクから10年10万kmとされることが多いです。

寿命を延ばすためのメンテナンステクニック

オイル

性能的なパフォーマンスが落ちてくるという意味で、普通車より耐久性がやや劣る軽自動車は少なくとも、10年、10万㎞程度で交換が必要なパーツがあります。

もちろん定期的に交換が必要なパーツを交換したり、オイル交換の頻度を守っているなら寿命を延ばせます。

定期的なオイル交換やエレメント交換

エンジンオイルはエンジンの内部で使用されている金属同士の摩擦などを軽減し、錆び付きを防いだり、スムーズに動くために潤滑する、という働きをしています。車が走る際にかかる負担を抑えるために、エンジンオイルの管理は大切です。

エンジンオイルの交換は、使用状況によって異なりますが、走行距離が3,000~5,000kmに至ったとき、または3~6か月経過したときにエンジンオイルの交換をするのがベストでしょう。

最低でも1年に1回は行うのをおすすめします。走行距離で判断する場合には1万キロメートル走行したら交換するようにしましょう。

エンジンの寿命を延ばすには、定期的なオイルエレメントの交換が必要です。エレメントの交換時期の目安は、エンジンオイル交換2回につき1回のペースです。

オイルエレメントは、エンジンオイルに含まれるゴミや汚れをろ過し、きれいに保つ役割を持っています。オイルエレメントが汚れていると、目詰まりを起こし、エンジンオイルをうまくろ過できなくなり、エンジンオイルの持つ潤滑作用や冷却作用という、エンジンを適切に動かすための機能が働かず、エンジンに多大な負荷をかけることにつながります。

※カミタケモータースでは、4,000kmで1回のオイル交換をおすすめしています。

あわせて読みたい
エンジンオイル交換の頻度や目安はどのくらい?交換しないとどうなる? 車のオイル交換の目安は4000kmまたは6か月いずれか早い方です。 ただ、ディーラーやカー用品店、ガソリンスタンドなど、ショップによっては3,000kmごとに交換と言われた...

タイヤやブレーキのチェック

タイヤは基本的に4つあるもので、路面に接して駆動力を伝えたり、減速するときにブレーキをかけたりします。同じ4輪があったとしても、負担のかかり方はそれぞれ違います。

全輪駆動車(FF)の場合は前輪に負担がかかりやすくなりますし、コーナーを曲がるのでどうしても左右差が出てしまうため、バランスよくタイヤを使うことは出来ません。

逆にFR車の場合は、後輪の減りが早くなってしまいます。当然ですが、負担の多い箇所のタイヤは摩擦しやすく、負担の少ない箇所のタイヤは摩擦しにくいので、タイヤのローテーションを行うことで工夫できます。ですが、いずれはタイヤも消耗品ですから交換しなければなりません。

タイヤの溝もチェックしておきましょう。道路運送車両の保安基準に基づき溝の深さが1.6mm未満のタイヤは使用できないと定められているので、車検が近いか近くないかにかかわらず、タイヤの表面がツルツルになっているか、ヒビは割れているか点検しましょう。

ブレーキの不調は交通事故に直結するため、定期的に確認するのをおすすめします。ブレーキペダルを踏んで正確に力が伝わっているのか、空振りしている感覚、踏み心地が無いような感覚は要注意です。交換の合図かもしれません。

あわせて読みたい
タイヤローテーションのやり方【プロの整備士が解説!】 自分の車を持っているなら、「タイヤローテーション」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。 タイヤローテーションとは、前輪と後輪の偏摩耗を防ぐために、定期...

エンジンやミッションのメンテナンス

エンジンは数多くの部品が精密に組み合わされて出来ています。各部品の劣化や摩耗そして汚れなどが原因で、不具合が発生することがあります。

ミッションに問題が起き始めると生じるのは、ギアの入りが悪くなり変速がうまくいかない、ショックを感じたり速度が上がらない、異音がする、といった症状です。

不具合が比較的初期の段階であれば、ATFを修理・交換することで対処できる場合があります。しかしATF交換で改善しないならATの交換、もしくはオーバーホールを行うという方法になります。

可能なら屋根あり駐車場で保管

軽自動車の劣化を防ぐためにも、屋根なしより屋根ありの駐車場を利用することをおすすめします。

自動車は、駐車中に付着した虫や鳥のフンなどの汚れ、特に紫外線、雨風にさらされると、ボディやマフラーなどさまざまな部分にダメージを受け、劣化していきます。屋根ありの駐車場であれば、雨風をしのぐことができます。

寿命が短いと思われている軽自動車をできるだけ長く使用するためにも、屋根ありの駐車場を選ぶ事をおすすめします。

軽自動車の寿命が近づいた時のサイン

軽自動車と青空

車の各パーツが故障するようになり、故障の回数も増えたなら寿命が近づいているサインかもしれません。

また、いつもよりアクセルを踏まなければならなくなったり、燃費が極端に悪くなったりするなど本来の走行性能が発揮できなくなるのも劣化が進んでいる証拠です。

エンジンの異音や振動

エンジンは正常な状態でも音がする物です。とはいえ、エンジン内部からゴロゴロやガラガラという音が聞こえたら、深刻な問題の可能性があります。

エンジンからの異音や振動は、エンジン本体からもそうですが、周辺機器であるウォーターポンプ、オルタネーター、Vベルト、フューエルインジェクターなどの不具合かもしれません。エンジンECUの故障も異音や振動の原因となります。

振動だけでは何が原因なのか判断しにくいため、経験のある整備士に相談してみて、どれほどの修理が必要になるのか検討してみましょう。

燃費の悪化やパフォーマンスの低下

車は年数が古くなったり、走行距離が多くなると、エンジンを始め車体各部の経年劣化により燃費性能が低下してきます。軽自動車の場合は特に普通車に比べてエンジンにかかる負担が大きいため、燃費への影響はより大きく表れます。

燃費の記録を取っているなら、燃費が悪くなってきていることが顕著に分かるでしょう。燃費の悪化はエンジンの不具合だけでなく、足回りの不具合の前兆にもなるため、計測しているなら早めに不具合を見つけられます。

電気系統のトラブル

軽自動車のバッテリーが消耗すると、車の走行に大きく影響を与える部品の1つです。エンジンの掛かりが悪くなる、窓の開閉が遅くなるなどのサインが出てきたら交換が目安です。

さらにエンジンから発電するオルタネーターやディストリビューターなどの部品も交換が必要になります。いずれの部品も電装品やエンジンに影響が出てくるので、不具合に気がつくでしょう。

タイミングベルトの交換

ほとんどの自動車メーカーが10万kmで交換をすすめています。軽自動車は排気量が小さいので普通自動車よりもエンジンの回転数を高めてパワーを出しています。そのためタイミングベルトの劣化が進みやすいことに注意が必要です。

タイミングベルトの交換はエンジンの内部の部品を交換するので、思っているよりも修理費がかかることがあります。

車の価値と修理費用を検討するなら、軽自動車の寿命と判断することもあるでしょう。

寿命が近い軽自動車の注意点は?

車検密着

寿命が近い軽自動車に乗っていると、さまざまなデメリットがあります。

古くなってくると最初に期待していた燃費が悪化します。部品が劣化してしまうと、どうしても効率が悪くなるので燃費や走行性能に影響が出るでしょう。

古い軽自動車であればあるほど、部品供給終了のリスクも上がるため、交換できる部品が残っていない時、買い換えを検討する必要性が出てきます。

何よりも寿命が近い軽自動車に乗っているなら、突然故障してしまうというリスクはあるでしょう。

下取りや買い取りのタイミング

買い取りが期待できるタイミング

車の価値は年数が経過すると価値が下がってしまいます。3年、5年と車検のタイミングで車の買い取りを検討する方が多いです。またこのタイミングで車の価値も変わっていきます。

もし新しい車に乗り換えることを検討していて、車の買い取りが期待できるタイミングで乗り換えるならトータルコストを抑えられるでしょう。

自動車税の重課のタイミング

新車登録から13年、そして18年と自動車税が重課されるので税額がアップします。極力維持費を抑えたいと思っているなら、自動車税が上がってしまうタイミングで、車の寿命と判断することもあるでしょう。

部品交換のタイミング

既述したように、区間が必要な部品の種類によっては、修理費用が高くなることがあります。車の価値と修理費用の兼ね合いから、車の寿命が来たと判断することもあります。

もちろん軽自動車でも部品の在庫がある場合がありますが、年数が経過していると部品の在庫がなくなってくることもあるでしょう。

交換が必要になる部品の摩耗が懸念され、費用が高くなったり、部品の在庫がない可能性があるなら寿命ともいえるでしょう。

寿命を迎えた軽自動車の処分方法

費用

「寿命が近い軽自動車は買い取ってもらえない」と最初から諦めてしまう人も多いと思います。まず、買取保証のあるサービスなどを使用することで買取してもらえる可能性はあるでしょう。どんな処分方法が自分の車に合っているのか調べることは大切です。

下取りや買い取りサービスの利用

寿命が近い軽自動車の買取相場は、数万円ほどが上限と考えられます。それでも自分が損をしないで納得して買い取ってもらえるように、複数の買取業者から見積もりを出してもらい、比較をするようにします。

もし軽自動車を売却すること前提に手放したいのなら、おすすめのタイミングは、7年目の車検がくる前です。

軽自動車を中古車として売却した後、乗り換えを考えるなら5万kmの走行距離を越える前に見積もりをとるようにしましょう。

価値が落ちすぎないタイミングで下取りや買い取りサービスを利用するのはおすすめです。

まとめ

寿命が近い軽自動車であっても、定期的にメンテナンスをして、車に余計な負担を掛けない運転をするなら、長く乗ることは可能です。また、日常的にメンテナンスを行うなら、売却をしたいときに査定額が高くつきやすくなることも覚えておきましょう。

長く利用することで感じるデメリットもあるため、ランニングコストや安全性能を考慮して、状況によっては買取サービスに査定してもらうか、新しく買い替えるかなど、検討するのもよいでしょう。

目次