軽自動車のサイズとは?メリットと選び方ガイド

軽自動車サイズ

日本の道路は狭い場所が多いので、車を選ぶ際には「運転しやすい大きさ」が重要です。一般的に全長が4.5m以下、全幅が1.8m以下の車が運転しやすいといわれています。

軽自動車はコンパクトなサイズだから人気がありますが、軽自動車の具体的なサイズや排気量の規定をすぐに答えられる方は少ないでしょう。

この記事では、軽自動車の全長や規格がどのように決まっているのか、そして軽自動車の魅力について詳しく解説します。運転しやすい車を探している方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

軽自動車の定義と基本サイズ

正面から見た軽自動車

軽自動車は、日本だけの特別な車の規格です。税金や免許の面で優遇されています。軽自動車のボディサイズは、全長が3,400mm以下、全幅が1,480mm以下、全高が2,000mm以下と決まっていて、排気量は660cc以下です。

さらに、乗れる人数は4人まで、積める荷物の重さは350kgまでです。これを超えると普通自動車になってしまい、優遇は受けられなくなります。

軽自動車のサイズの歴史

アパート前に停めた軽自動車

軽自動車の歴史は1949年まで遡ります。戦後間もなく、自動車をもっと普及させようということで、軽自動車の規格が初めて決められたのです。その時の規格は、今よりも小さくて、全長は2,800mm以下、全幅は1,000mm以下、全高は2,000mm以下(※全高は今と同じ)、排気量は150cc以下でした。

1998年に現在の規格になってからは、安全性が大事にされています。「コンパティビリティ」という考え方で、事故の時に自分の車も相手の車も被害が少なくなるようにボディサイズが大きくなりました。

軽自動車でも安全性が高い車が増えたのです。排気量も、車が重くなるにつれて大きくなってきて、最初は150ccだったのが、300cc、360cc、550ccと増えて、1990年に今の660ccになりました。

このように、軽自動車は日本独自の規格で作られて、規格が変化してきたという歴史を経て税金などの面で優遇されているのです。

軽自動車のサイズのメリット

メリット

維持費が安い

車の維持費には税金が含まれていますが、主な税金は自動車税と自動車重量税の2つです。これらの税金は普通乗用車よりも軽自動車の方が安いのが一般的です。

さらに、日々の運転でかかるガソリン代も気になりますが、軽自動車は普通乗用車よりも燃費が良いことが多いので、ガソリン代も節約できます。もちろん、車種や性能によって異なりますが、基本的には軽自動車の方が経済的です。

加えて、保険料や消耗品の費用も、軽自動車の方が少し安くなる傾向があります。総合的に見て、普通乗用車よりも維持費が安く抑えられる点が軽自動車の大きなメリットです。

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街乗りで運転しやすい

長距離運転では、どうしても走行安定性で劣る部分がありますが、街乗りをメインで考えているなら取り回しがしやすいので運転しやすいでしょう。運転が苦手な方でも気兼ねなく運転できるのが軽自動車の魅力です。

車庫証明が不要な場合が多い

軽自動車の場合は一部、車庫証明は不要です。

地域によっては軽自動車でも車庫証明(保管場所届出)が必要な場合があります。例えば、以下のようなケースです。

  • 県庁所在地
  • 人口10万人以上の市町村
  • 都心部から30km圏内の市町村

自分が住んでいる地域で車庫証明が必要かどうかは、事前に確認しておくと安心です。普通車であれば原則、車庫証明が必要ですが、軽自動車は地域によって異なるので事前に確認しておきましょう。

大阪府で届出が必要な地域は以下の通りです。

大阪市、豊中市、池田市、吹田市、高槻市、守口市、枚方市、茨木市、八尾市、松原市、大東市、箕面市、柏原市、門真市、摂津市、高石市、交野市、岸和田市、泉大津市、寝屋川市、羽曳野市、藤井寺市、東大阪市、四條畷市、堺市(美原区を除く)、大阪狭山市、富田林市、和泉市、河内長野市

さらに車庫証明については、こちらの記事もチェック。

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軽自動車のサイズによる選び方ガイド

電球

使用用途で車を選ぶ

車を購入する前に、「どんな場面で使うのか」をしっかり考えることが大切です。

通勤用であれば、燃費が良い車がオススメです。毎日の通勤でガソリン代がかさむのは避けたいので、軽量で軽自動車でもコンパクトなセダンタイプがおすすめです。

ファミリーカーとして利用するならスライドドア付きの車が便利です。子供の乗り降りが楽になるので、スーパーハイトワゴンのように全高が高い車がよいでしょう。

荷物運びなら後部座席をフラットにできる車が役立ちます。軽バンタイプの軽自動車であれば、荷物の積載もしやすいでしょう。スーパーハイトワゴンも後席を倒すことでフラットにできるので、背丈がある荷物を積載することがあるなら考慮できます。

燃費性能で車を選ぶ

規格で定められているので、ほとんど同じサイズとはいえ、コンパクトなモデルは燃費性能が優れているのでおすすめです。

「燃費消費率」という数値が記載されています。これは一般的に「カタログ燃費」と呼ばれ、実際の走行とは少し違うこともありますが、大体の目安として使えます。

毎日車に乗るなら、燃費は気になるポイントです。燃費性能を知るためには、カタログ燃費を調べるのが基本ですが、実際の燃費を知るために役立つサイトもあります。

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軽自動車のサイズ比較

軽自動車でもボディタイプによってサイズが少し異なります。

セダン

ミライース

セダンタイプの軽自動車は、車高が低くてコンパクトなのが特徴です。狭い道でも運転しやすく、駐車も簡単です。例えば、ダイハツのミライースやスズキのアルトが代表的な車種です。ボディサイズがコンパクトなので、燃費性能にも優れています。

  • ミライース:全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,500mm~1,510mm
  • アルト:全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,525mm

ハイトワゴン

ワゴンRカスタムZ

ハイトワゴンタイプは、セダンタイプよりも車高が高めで、室内が広く感じられます。スライドドアも付いているので、乗り降りがしやすいです。代表的な車種にはホンダのN-WGNやスズキのワゴンRがあります。

  • N-WGN:全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,675mm~1,725mm
  • ワゴンR:全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,650mm

スーパーハイトワゴン

N-BOX 白

スーパーハイトワゴンタイプは、ハイトワゴンよりもさらに車高が高く、室内空間が広々しています。子どもが立ったまま移動できるくらいの高さがあるので、ファミリーに大人気です。代表車種にはスズキのスペーシアやホンダのN-BOXがあります。

  • スペーシア:全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,785mm
  • N-BOX:全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,790mm~1,815mm
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SUV

シフォンアイボリーメタリックブラック2トーンルーフ ジムニー

軽自動車にも、高い走破性を持つ車があります。例えば、スズキのジムニーやダイハツのタフトです。どちらも未舗装路やデコボコ道でも走りやすいように設計されています。悪路走破性に優れているだけでなく、アクティブに使いやすい内装も魅力です。

  • ジムニー:全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,725mm
  • タフト:全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,630mm
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エブリイ

バンタイプの軽自動車は、商用車としても使えるほど荷物をたくさん積めるのが魅力です。乗り心地も良く、車中泊も楽しめます。商用車としてだけでなく、カスタムのベース車両としても人気があります。代表的な車種にはスズキのエブリイワゴンやホンダのN-VANがあります。

  • エブリイワゴン:全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,815mm~1,910mm
  • N-VAN:全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,945mm~1,960mm

こんな感じで、軽自動車にはいろいろなタイプがありますので、ご自身のライフスタイルに合った一台を見つけてみてください。

軽自動車の特徴や魅力とは?

軽自動車と普通車の違いで大切な点はサイズと排気量です。軽自動車は特定の規格に合わせなければならないですが、普通車にはそのような制限がありません。これが、走行性能や車内の広さに関して、普通車がより良い条件を提供している理由です。

でも、最近の軽自動車もだいぶ性能が上がってきていて、普通車と比べても遜色ないレベルになってきています。ファーストカーとしても十分利用できるでしょう。

価格の面では、軽自動車の方がずっと手頃です。そして、税金も軽自動車の方が安く設定されていますから、維持費もお得です。経済的なメリットも大きいです。ですから、普段使いやコストを抑えたいなら、軽自動車がいい選択かもしれません。

このように、車の選び方には考える点がたくさんありますが、どちらがいいかは、使い方や予算によるのです。

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軽自動車のサイズの今後

現在、軽自動車の規格見直しは行われる可能性が低いです。自動車メーカーや関連団体からも、そのような要望は出ていません。

とはいえ、一部では軽自動車の規格を改定してほしいという声もあります。多くの人が軽自動車を自分の車として買いたいと思っているため、軽自動車の需要は高まっています。それに伴って、求めることも多様化しているのが現状です。

軽自動車の規格について考えると、ボディサイズをもう少し大きくした方がいいとか、エンジンを1L程度に拡大した方がいいという意見も聞かれます。これは自動車メーカーの専門家も十分に理解していることです。

しかし、現状では軽自動車の規格を見直そうという話はメーカーの間ではあまり聞かれません。その理由の一つに、現在の軽自動車規格のメリットが大きいからです。

現時点で軽自動車は排気量やボディサイズが制限されていることで、さまざまな優遇措置を受けられます。優遇とボディサイズのバランスが求められます。

まとめ

軽自動車のサイズは法律によって制限されています。それでも車内スペースが広々したモデルがあるので、ファミリーカーとしても活用できるモデルがあります。使い方を考えながら車選びするとよいでしょう。

よくある質問

軽自動車のサイズは?

全長が3,400mm以下、全幅が1,480mm以下、全高が2,000mm以下と決まっていて、排気量は660cc以下です。乗車人数は4人で、積載量は350kg以下と定められています。

軽自動車のサイズのメリットは?

規格によりサイズに制限があるので、ボディサイズがコンパクトなだけでなく税金面でも優遇されています。内装が充実している車種も増えているので、ファーストカーとしても十分なモデルが多いです。

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