軽自動車は、普通自動車と比較すると維持がしやすい車として人気を集めています。しかし車を維持する以上税金が必要となります
軽自動車を購入してから維持するためには、どのような税金を支払う必要があるでしょうか?この記事では軽自動車税や他の税金について、また支払うべき時期について解説します。
- 毎年払う軽自動車税
- 車検時に支払う重量税
- エコカーなら軽減措置がある
軽自動車の所有者が支払う税金は?

軽自動車の所有者が支払う税金は、大きく分けると4種類あります。購入時に支払うものや年に1回、もしくは車検時に支払う税金に分けられます。車に必要な税金は以下の通りです。
- 軽自動車税:1年に1回
- 重量税:新車登録時と車検時
- 環境性能割:購入時
- 消費税:購入時
これらのうち環境性能割と消費税は新車購入時に支払うものなので、軽自動車を維持するときには、それほど気にしない税金となるでしょう。軽自動車の維持に必要な軽自動車税と重量税についてさらに詳しく見ていきます。
軽自動車税
普通自動車の場合には排気量に応じて課税されますが、軽自動車の場合は一定額です。市町村税なので、納付先は市町村になります。
- 軽自動車税:10,800円
普通自動車の場合には、2019年9月までに購入したかによって税額が異なりますが、軽自動車は一定です。
新規検査から13年を経過した軽自動車の場合は増税されています。
- 軽自動車税(新規検査から13年超):12,900円
年式によっても軽自動車税が異なるので、注意しましょう。また、最初の新規検査を受けた年によっても適用される税率が異なります。
標準税率
車種区分 | 車種区分 | 旧税率 | 新税率 |
乗用 | 自家用 | 7,200円 | 10,800円 |
乗用 | 営業用 | 5,500円 | 6,900円 |
貨物用 | 自家用 | 4,000円 | 5,000円 |
貨物用 | 営業用 | 3,000円 | 3,800円 |
※総務省
また、環境への負担を低減させる施策として、最初の新規検査から13年経過すると概ね20%の税率となる経年車重課があります。
車種区分 | 車種区分 | 重課税率 |
乗用 | 自家用 | 12,900円 |
乗用 | 営業用 | 8,200円 |
貨物用 | 自家用 | 6,000円 |
貨物用 | 営業用 | 4,500円 |
軽自動車以外に適用される軽自動車税
一般的には4輪の軽自動車税をイメージしますが、軽自動車以外にも原付やオートバイなどにも軽自動車税が適用され、納付の義務があります。
軽自動車税が適用される車両は、以下の通りです。
- 軽自動車(3輪含む)
- 小型特殊自動車
- 原動機付自転車
- 軽2輪 (125cc超250cc以下)
- 小型2輪(250cc超)
それぞれの車両の軽自動車税は以下の通りです。
車種 | 税額 |
3輪 | 3,900円 |
50cc以下 | 2,000円 |
50cc超90cc以下 | 2,000円 |
90cc超125cc以下 | 2,400円 |
ミニカー | 3,700円 |
軽二輪(125cc超250cc以下) | 3,600円 |
小型二輪(250cc超) | 6,000円 |
※3輪のものは平成27年4月1日以降に新規検査
※総務省
軽自動車税は、二輪車にも適用されることを覚えておきましょう。また、これらの軽自動車税は、平成28年度分から年式に関わらず新税率が適用され、上記の税額になりました。
自動車重量税
軽自動車の重量税は、一定となっており、1年あたり3,300円となります。新規検査や継続検査のときに車検証の有効期限分を支払う税金です。
新車登録では3年分、継続検査では2年分を納付します。国土交通省が定めている基準を満たしているとエコカーとなり、優遇措置があるため重量税が軽減されます。
一方で自家用車の場合、新車登録から13年経過していると2年間で8,200円、18年経過していると8,800円と重課されるのが注意点です。
軽自動車税の支払時期

軽自動車税は、毎年4月1日時点での所有者が支払う税金です。毎年4月1日時点の所有者に課税されるため、市町村から納税通知書が郵送されます。
軽自動車税は市町村に納付するものです。おおよそですが、ゴールデンウィーク頃には納付書が届きます。
納付期限は市町村によって異なりますが、5月末になっていることが多いです。いずれにしても記載されている期日までに納付するようにしましょう。
軽自動車の税金の支払い方法

軽自動車税の支払い方法も、自治体によって異なるため、納付書に書かれている支払い方法をチェックしておきましょう。
銀行や郵便局での支払いの他に、コンビニでも納付できます。また、Pay-easyやPayPayなどのQRコードやスマホ決済、さらにはクレジットカードに対応している場合があります。
詳細な情報は、払込書に記載されているので事前に確認しましょう。また、記載されている期日を超えるとスマートフォン決済などが利用できなくなり、現金払いのみになるケースもあります。
期日前に「他の支払い方法がよかった」とならないためにも、事前に確認しておくのがおすすめです。
軽自動車税が安くなる「グリーン化特例」

軽自動車の場合には、電気軽自動車や天然ガス軽自動車等や令和12年度燃費基準90%もしくは70%達成し、かつ、令和2年度燃費基準値達成した車両はグリーン化特例が適用されます。
またガソリン車・ハイブリッド車の場合には、平成30年排出基準50%低減達成または平成17年排出ガス基準75%低減達成の乗用かつ営業用です。
2022年11月時点では、電気自動車などが対象となっているので、日産のSAKURAや三菱のeKクロスEVなどがグリーン化特例の対象です。
重量税の支払時期や13年目以降の増税

前述したように、軽自動車の重量税は、新規登録や継続検査のときに車検証の有効期限分を納付するものです。それで、軽自動車税のように払い忘れるということはありません。
環境に優しい車種やグレードによってエコカー減税が適用されて軽減措置がありますが、購入や車検の際に適用された税率が提示されるので、支払い方法や税額で困ることはないでしょう。
また軽自動車重量税は、新車登録から13年、さらに18年が経過すると増額されます。環境に優しい新しい車への買い換えを促進する施策となっていますが、年数が経過するほど高くなるのは注意点です。
税金が還付される場合もある

軽自動車の購入や維持には、複数の税金が関係していることをご紹介してきましたが、いくつかの条件を満たしたときには税金の還付があります。
自動車重量税は、自動車検査証の交付を受ける者が納税義務者となるものですが、車検残存期間が1か月以上ある車を解体したなら重量税が還付されます。
税金の還付に関しては軽自動車税はないため、重量税のみとなっています。また、軽自動車税の還付を受けるためには、自動車リサイクル法に基づいた適正な解体が必要です。
都道府県知事や保健所設置市長の認可がある業者に依頼して解体するようにしましょう。解体が完了すると、電子マニフェストシステムから解体報告され、移動報告番号と解体報告日を確認します。
その後、解体届出申請をしてから、重量税の還付申請ができます。軽自動車重量税の還付には、1か月以上の車検残存期間と解体が必要ということがポイントです。
軽自動車の税金を抑える方法

軽自動車の税金を抑える方法をご紹介しましょう。税金額を下げることはできませんが、軽減措置の対象となっている車種やグレードを選択しておくなら、納付額を抑えることができます。
また、環境に優しい車への乗り換えを促進するために年式が古い車が重課されるので、新しい車に乗り換えることも検討できるでしょう。
グリーン化特例の対象車種を選ぶ
軽自動車税は、エコカー減税ではなくグリーン化特例が適用されます。しかし2022年11月時点では、軽の電気自動車などが対象となっているため、対象車種は少なめとなっています。
もちろん使い方によっては、軽の電気自動車も快適に乗車するためのよい選択肢です。購入の補助金と合わせると以前よりも購入しやすい価格帯になっているので、充電環境があるなら軽の電気自動車も検討するのもおすすめです。
航続距離や充電環境、さらには補助金の期間がいつまでなのかという検討すべきポイントはあります。しかし完全に電気とモーターだけで走るという特性を活かしたカーライフもよいでしょう。
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エコカー減税と環境性能割
軽自動車の新車新規登録時や継続検査時に支払う重量税は、エコカーなのかによって軽減率が異なります。エコカー減税は対象の車種やグレードによって本則税率からの軽減が異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
また車の購入時には環境性能割もあります。環境性能割は購入価格に対して税率を掛けたもので、以前は自動車取得税と呼ばれていたものです。
環境性能割はどれほどの環境性能を有している車種やグレードかによって異なりますが、軽自動車の場合はそれほど大きな価格差にはならないでしょう。しかし購入前に、どれほどの税額になるのか確認しておくことをおすすめします。
年式が新しい軽自動車に乗り換える
軽自動車の税金を抑える別の方法は、年式が新しい軽自動車に乗り換えるというものです。もちろん、乗り換えたからといって大きな金額の差が発生するわけではありません。しかし軽自動車の場合には、13年や18年が経過していると税金だけでなく修理費用もかさむ可能性があります。
もし乗り換えるのが中古車であるなら、新車登録から13年や18年が経過している車ほど税金も高くなると覚えておきましょう。
新車に乗り換えるのであれば、この記事で解説したようにエコカー減税の対象車両を選択するとよいでしょう。
対象の車種やグレードによって重量税の軽減率や環境性能割が異なっています。車種やグレード選びの際に確認しておくのがおすすめです。
まとめ
軽自動車の購入や維持に必要な税金についてご紹介してきました。軽自動車税や重量税などが軽自動車の維持に必要な税金です。また新車購入時には、環境性能割も支払う必要があります。
軽減措置がある税金がある一方で、環境に優しい車に乗り換えを促進するため、経過年数によって重課されるものがあります。それで車の乗り換えを検討しているなら、燃費性能がよく税金が軽減される車種やグレードがおすすめです。

よくある質問
軽自動車税はいくら?
軽自動車税は一定額となっており、10,800円です。普通自動車は排気量によって税額が異なりますが、軽自動車は変わりません。
軽自動車税はどのように払うとお得?
軽自動車税は納付書に記載されている方法で支払いできます。自治体によってはスマホ決済やクレジットカード払いに対応している場合があります。納付書に記載されている支払い方法を確認して納付しましょう。
軽自動車税はいつから増える?
軽自動車税は新車登録から13年経過すると、約20%重課されます。乗用タイプの軽自動車の場合は、12,900円となっています。