車のナンバーでイメージするのは、普通車が白色、軽自動車が黄色、そして業務用の車が緑でしょう。しかし街中で軽自動車なのに、白ナンバープレートを装着した車が走っているのを見かけることがあるかもしれません。
特別仕様のナンバープレートであれば、軽自動車でも白色のナンバープレートを装着できます。しかし2023年時点では、真っ白な白ナンバーを入手することはできません。
図柄入りナンバーへ変更できますが、一部の地域に限られています。この記事では軽自動車で白ナンバーを装着することができるのか、また図柄ナンバーについて詳しくご紹介します。
軽自動車のナンバー

普通自動車のナンバーは白色で、軽自動車は黄色になっているのには理由があります。それは、軽自動車と普通車を見分けやすくするというものです。これまで高速道路の制限速度が軽自動車と普通自動車で異なった時期があったり、料金所での支払いの際に分かりやすかったりしていました。
しかしETCを利用する人が増えたため、ナンバープレートの色分けの必要性も少なくなってきました。そのため、軽自動車の中には特別仕様ナンバープレートを装着した車両もあり、これらは軽自動車に装着できる白ナンバーとして注目されました。
ボディカラーに合った色にできる
軽自動車のナンバープレートは車両区分を明確にするために黄色いものになっていましたが、軽自動車である証拠となりコンプレックスのように感じていた方もおられました。
一方で白ナンバーであれば無難な色なので、どのようなボディカラーにも馴染むため白ナンバーを望む方がおられました。
図柄入りナンバーやイベントの際の特別仕様のナンバープレートは、ボディカラーに馴染むナンバープレートを希望する方の需要に応えるものとなりました。
地域やイベントを寄付金で支援する
図柄入りナンバープレートや特別仕様ナンバープレートは、どちらも寄付金によって支援することが可能です。地域の振興や交通に関するものに使用されます。
寄付金で支援した場合にはナンバープレートがフルカラーになるため、外から見たときの印象も異なるでしょう。
軽自動車の白ナンバーの種類

軽自動車が装着できる白ナンバーは、大きく分けると4種類あります。これらのナンバーには既に取得期限が終了したものも含まれています。
街中で見かけることがあるタイプの白ナンバーなので、軽自動車に装着できる白ナンバーの種類をご紹介しましょう。
地方版図柄入りナンバープレート
地方版図柄入りナンバープレートは、ご当地ナンバープレートは地域の風景や観光資源を図柄として取り入れているタイプのナンバープレートです。
「走る広告塔」として、ナンバープレートに記載されている地域の魅力を発信することを目的としています。
申し込み時期や対象の地域は、以下の通りです。
第1弾41地域:平成30年10月1日~
- 東北 盛岡、岩手、平泉、仙台、山形、庄内
- 関東 土浦、つくば、前橋、越谷、成田、柏、世田谷、杉並、富士山(山梨)
- 北信 新潟、長岡、富山、金沢、石川
- 中部 福井、富士山(静岡)、豊田、春日井
- 近畿 滋賀、京都、奈良
- 中国 鳥取、福山、下関、山口
- 四国 徳島、香川、愛媛、高知
- 九州 長崎、佐世保、熊本、大分、宮崎、鹿児島

第2弾17地域:令和2年5月11日~
- 北海道 知床、苫小牧
- 東北 弘前、白河
- 関東 松戸、市川、船橋、市原、江東、葛飾、板橋
- 北陸信越 上越
- 中部 伊勢志摩、四日市
- 近畿 飛鳥
- 中国 出雲
- 四国 高松
画像引用元:国土交通省
申し込み時期
・(第1弾41地域) 2018年10月1日から ※2018年9月4日から事前申込開始
・(第2弾17地域) 2020年5月11日から ※2020年4月13日から事前申込開始
ナンバープレートの交付料金にプラスして1000円以上の寄付をするとフルカラーのナンバープレートを選択できます。寄付金は交通改善や観光振興に関する取組に充てられるものです。
取り付けた図柄入りナンバープレートは廃車まで利用できますし、使用終了後も不正防止のための穴を開けた状態で保存可能です。
全国版図柄入りナンバープレート
全国版図柄入りナンバープレートは、全国47都道府県の花をモチーフにしたデザインのナンバープレートです。「日本全体で立ち上がろう」という想いが込められたナンバープレートで、1,000円以上の寄付をするとフルカラー版の図柄入りナンバープレートが選択可能です。
寄付をしていない場合は、モノトーンのナンバープレートとなるので、見た目の印象が異なります。全国版図柄入りナンバープレートは、自動車の区分を明確にするために、自家用軽自動車は黄色の縁取りがあります。
完全な白ナンバープレートではないことに注意が必要です。全国版図柄入りナンバープレートは全国統一デザインなので、地方版図柄入りナンバープレートと異なり、共通のデザインです。
- 交付期間 令和4年4月18日〜令和9年4月30日
- 事前申込 令和4年3月22日

画像引用元:国土交通省
対象となっているのは自家用軽自動車、自家用登録車、事業用登録車で事業用軽自動車や二輪車には取付けられません。また字光式のナンバープレートはないのも注意点です。
大阪・関西万博特別仕様ナンバープレート
大阪・関西万博特別仕様ナンバープレートは、2025年日本国際博覧会の開催を記念したナンバープレートです。令和7年12月26日まで交付される予定となっており、1,000円以上の寄付をすると「大阪・関西万博の開催に関連した交通サービスの充実」を支援できます。
寄付金がある場合はフルカラー版のナンバープレート、寄付がない場合はモノトーンのナンバープレートとなります。
特別仕様のナンバープレートでも自動車の区分を明確にするため、自家用軽自動車は黄色の枠取りがされているため、完全な白ナンバーではないので注意しましょう。
- 申込開始日 令和4年9月26日(月)
- 交付期間 令和4年10月24日(月)〜令和7年12月26日(金)
大阪・関西万博特別仕様ナンバープレートは全国共通のデザインです。公式ロゴマークのフォルムをモチーフにデザインされたもので、「万博の感動が貴重な想い出となり、多くの人々の心の中で走り続けてほしい」 というコンセプトとなっています。
画像引用元:国土交通省
【終了】東京オリンピック特別仕様ナンバープレート
2020年に開催された、東京オリンピック・パラリンピック競技大会を記念した特別仕様のナンバープレートです。東京オリンピックのエンブレムがナンバープレートにあしらわれているもの、さらに寄付をすると入手できる図柄入りの2種類のナンバープレートが用意されていました。
オリンピックとパラリンピックのエンブレムの2枚1組で交付されているナンバープレートです。
1,000円以上の寄付で、大会開催に必要な交通サービスのバリアフリー化を促進するために使用されました。
・申込期間 2017年10月10日から2021年9月30日(木)
廃車になるまで使用できるナンバープレートで、使用後も不正使用防止の穴を開けた状態で保存できます。
【終了】ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレート
アジア初となるラグビーワールドカップが日本で開催されることを記念したナンバープレートです。大会開催を盛り上げることを目的として、デザインの入った特別仕様ナンバープレートが交付されていました。
・申込期間 2017年4月3日から2019年11月29日まで

1,000円以上の寄付金で、図柄入りのナンバープレートになりました。また、寄付金は試合会場への観客輸送等、交通サービスの増強に使用されていました。
寄付金ありで特別仕様に
各ナンバープレートは、寄付金がプラスされると、フルカラーになる特別仕様になります。寄付金の使用用途は、ナンバープレートによって異なりますが、フルカラーがよい方は寄付金を検討するとよいでしょう。
なお寄付金は、1,000円からという条件のみで、上限は定められていません。それで、自分が寄付したいと思う金額を決めることができます。
なぜ白ナンバーに変更できる?

軽自動車の黄色ナンバーは、どうしても目立ってしまうため、野暮ったく見えてしまうことやボディーカラーに対して黄色が合わないという点がありました。
特に、スーパーハイトワゴンが人気を集めるようになってからは、普通自動車からのダウンサイジングで乗り換えるという方も増えています。
そのような方は、軽自動車をアピールする黄色ではなく、登録車のような白色を希望するケースがありました。
軽自動車は格下の車とみられてしまうことがあるようで、普通車と同じ色にしたいと希望する方がおられたようです。そのため、追加費用がかかる白ナンバーや図柄入りナンバーを希望する方が多くおられました。
税制面などで変化がなかったとしても、普通車とは違う色という劣等感を解消する1つの方法となっています。
白ナンバーにできる車

軽自動車を含む、すべての車が白ナンバーや図柄入りナンバーを取得できるわけではありません。白ナンバーにできるのは、以下のタイプの車です。
- 自家用登録車
- 事業用登録車
- 自家用軽自動車
一方で、白ナンバーに変更できないのは、以下の車です。
- 字光式ナンバー
- 事業用軽自動車
- レンタカー
- 分類番号が3桁以外
- 小型標板
- 後面1枚のみ
- 盗難や紛失でナンバープレートがない場合
これらの車両の場合には、白ナンバーに変更したり、申し込みしたりできないと覚えておきましょう。
いつまでに申し込みをすればよい?

現在申込できるのは、地方版図柄入りナンバープレート、全国版図柄入りナンバープレート、大阪関西万博特別仕様ナンバープレートです。
交付期間:~令和9年4月30日
交付期間:~令和7年12月26日
上記の2つのナンバープレートには、交付期間が定められています。地方版図柄入りナンバープレートには2022年11月時点では期日が定められていませんので、申し込み続けることが可能です。
今後、どのように変更されるか分からないため、図柄入りナンバープレートを希望するのであれば早めに申し込みしておきましょう。
白ナンバーにした時の費用

軽自動車のナンバープレートを白ナンバープレート(図柄入りナンバープレート)にした場合の費用をご紹介しましょう。
結論からすると、同じ図柄入りナンバープレート、特別ナンバープレートでも地方によって費用が異なっています。
7,440円~9,450円
7,720円~10,010円
7,920円~10,010円
さらに、フルカラーのナンバープレートにする場合には、給付金がプラスされた金額になります。寄付金は1,000円以上であれば上限はないため、自分で決定する必要があります。
今後白ナンバーはどうなる?
軽自動車に白ナンバーや図柄入りナンバーを装着することに人気が集まっていますが、今後白ナンバーはどのようになっていくのでしょうか
ラグビーワールドカップ特別仕様ナンバープレートや東京オリンピック特別仕様ナンバープレートなどは交付期間中に大きな人気を集めていました。
2022年11月時点では、全国版図柄入りナンバープレートや地方版図柄入りナンバープレート、さらには大阪関西万博仕様特別ナンバープレートなどが申し込み可能です。
これらは完全な白ナンバープレートではなく黄色の枠があるタイプですが、人気を集めています。地方版図柄入りナンバープレートは2023年10月頃に交付される予定となっていますし、新たなご当地ナンバーの導入に伴う図柄も予定されています。
すでに申し込みできるナンバープレートだけでなく、今後導入される図柄入りナンバープレートも予定されているため、図柄入りナンバーは継続されると予想できるでしょう。
しかし、すでに交付が終了しているタイプのナンバープレートは復刻される予定はありません。そのため軽自動車用の白ナンバーは復活する予定はありませんが、図柄入りナンバーはこれからも選択できるでしょう。
白ナンバーへの変更方法や注意点

軽自動車の白ナンバーの図柄入りナンバーへ変更する際の注意点や変更方法をご紹介しましょう。
変更方法
変更方法は大きく分けると2つあります。1つはナンバープレートの数字をそのままにする方法、そしてもう一つは希望ナンバーを申し込む場合です。
自分で申し込みをしてナンバープレートを交付してもらうこともできますが、ディーラーや整備工場などに代行を依頼することも可能です。
自分で申し込みをしたとしてもそれほど難易度が高い手続きではないため、自分で行うことも可能でしょう。
ナンバープレートの数字をそのままにする場合
ナンバープレートの数字をそのままにしながら図柄ナンバーにする方法は以下の通りです。
1:車検証を用意してから図柄ナンバー申込サービスから申し込み
インターネットから専用申請ページにアクセスし必要情報を入力して申し込みを行います。入力フォームに入力したメールアドレスに申し込み完了メールが届くので内容を確認します。
2:交付手数料や場合によっては寄付金を支払う
案内されている支払方法によって支払期限までに手数料や寄付金を支払います。インターネット振込なども利用できるため、忘れずに支払うようにしましょう。
3: 自動車登録番号標交換申請書に記入する
申し込みした申請ページから交換申請書をダウンロードして印刷しておくとよいでしょう。プリントアウトできない場合には、受付番号や一括申込番号を窓口で伝えることでも手続き可能です。
4:交付可能期間内に軽自動車検査協会で手続きする
図柄入りナンバープレートなどは交付可能期限が定められています。交換できる期日はメールに記載されていますので、期限内に交換するようにしましょう。
図柄ナンバープレートに変更する方法は、以下の通りです。
- 車検証
- 自動車登録番号標交換申請書
手元に車検証を用意するだけですので、希望するなら早めに申し込みしておきましょう。
希望ナンバーを申し込む場合
希望ナンバーを申し込みする場合には、図柄入りナンバープレートに変更する手順の他に希望ナンバーを設定するための手続きが必要です。
一般希望番号であれば問題ありませんが、希望者が集中する番号は抽選となります。希望する番号が選択できるかどうかは毎週の抽選によって決まりますので、事前の申し込みが必要です。
希望ナンバーを申し込む場合の手順は以下の通りです。
- 図柄ナンバー申込サービスから申し込み
- 交付手数料や寄付金を支払う
- 抽選対象番号は抽選の結果がメールで送られてくる
- 入金確認メールで期限内に手続きする
ナンバープレートの番号をそのままに図柄入りナンバーに変更するのと変わりませんが、抽選対象番号なら抽選に必要な期間があるということを覚えておきましょう。
一般番号よりも交付されるまでに時間が必要です。図柄入りナンバープレートを装着したい期日が決まっているなら注意が必要です。
費用が追加でかかる
通常のナンバープレートを交付してもらう費用と比較すると、図柄入りナンバープレートや特別仕様ナンバープレートに変更する場合の費用は高くなります。
地域によって異なりますが、7,000円から1万円ほどの費用が必要です。寄付金が必要な特別仕様であれば、さらに追加で費用が求められます。ナンバープレートにこだわりがないのであれば、通常のナンバープレートよりも高いため考慮するポイントになるでしょう。
デザインはフィルムでできている
図柄入りナンバープレートは、ナンバープレートに塗装しているのではなくフィルムを貼っているものとなります。
採用されているのは3Mのフィルム技術で、漢字も使っている日本のナンバープレートに合わせたシート材料が開発されています。
つまり通常のナンバープレートとは異なり、図柄入りナンバープレートはフィルムで覆われているのです。そのため、傷が入ってしまったりすると通常のナンバープレートよりも目立ってしまう可能性はあるでしょう。
耐久性の高いフィルムが採用されているため、通常使用では問題ないかもしれません。しかし、走行時の飛び石などによるキズや洗車機に複数回通した場合の傷のリスクはゼロではないでしょう。図柄入りナンバープレートのフィルムの耐久性は今後に注目です。
希望ナンバーの場合はETCなどの再セットアップが必要
番号がそのままであれば問題ありませんが、希望ナンバーに変更する場合にはETCなどの車両情報を再セットアップする必要があります。現在のナンバープレートの情報から新しいナンバープレートの情報へと変更する必要があるため、手続きをしておきましょう。
図柄入りナンバープレートへの変更やその後の再セットアップなど手続きの手間が増えます。
まとめ
軽自動車の白ナンバーについてご紹介してきました。以前はほとんどナンバープレートが白色のものが用意されていましたが、2022年11月時点では図柄入りナンバープレートが交付されています。
寄付金があれば特別仕様になりますし、黄色の枠があるとはいえ白が入っているナンバープレートになるのでどのボディカラーにも馴染みやすいといえるでしょう。
よくある質問
白色ナンバープレートに変更できる?
ナンバープレートのほとんどの部分が白色の特別仕様のナンバープレートは交付されていません。2022年11月時点では、図柄入りナンバープレートが選択できます。
白色ナンバープレートに変更すると費用が変わる
ナンバープレートを変更するときや交付申請するときには、通常のナンバープレートよりも費用が必要です。地方によって交付料金が異なりますが、7,000円から1万円ほどが必要です。さらに特別仕様のナンバープレートには、1,000円以上の寄付金が求められています。