低燃費なコンパクトカーとして知られているヤリスが2024年1月に改良されて、見た目も内装も変わりました。ヤリスは燃費がよく、維持費を抑えられるというのがポイントです。
特にハイブリッドモデルは優れており、カタログ燃料消費率が36.0km/Lというグレードもあります。これは他の車と比べてもかなり優秀な数字です。
そこで、この記事ではヤリスの燃費や特徴について、そしてライバルとなるコンパクトカーの燃費との比較や車種別の特徴を詳しく解説します。

新型ヤリスの魅力

画像引用元:トヨタ ヤリス | トヨタ自動車WEBサイト
ヤリスは日本だけでなく、世界中で人気のあるコンパクトカーです。日本では1999年に「ヴィッツ」という名前でデビューし、その後2005年に2代目、2010年に3代目にモデルチェンジしました。そして2020年には4代目が登場し、名前も「ヴィッツ」から「ヤリス」に変わりました。
ヤリスにはいろいろなバリエーションがあり、普段使いにちょうどいいハッチバックタイプだけでなく、スポーツタイプのGRヤリスやクロスオーバーSUVのヤリスクロスもあります。自分のライフスタイルに合わせて選べるのがポイントです。
2024年1月にはサブスクリプションサービスの「KINTO Unlimited」の第2弾として、KINTO専用の「Uグレード」という新しいグレードが登場します。この「Uグレード」では、車のハードウェアやソフトウェアをアップグレードできたり、コネクティッド技術を活用した新しい体験ができます。
ヤリスには、運転をサポートしてくれる機能や、事故を未然に防ぐための機能がたくさん搭載されています。
たとえば、「トヨタ チームメイト[アドバンスト パーク]」という機能が便利です。カメラとソナーで車の周りをしっかりチェックしながら、ハンドルやアクセル、ブレーキの操作を自動で行ってくれます。駐車が苦手な人でも安心して停められます。
新型ヤリスの燃費性能

画像引用元:ヤリス | トヨタ自動車WEBサイト
ハイブリッド車
ハイブリッド車の燃料消費率は、以下の通りです。
グレード | 駆動方式 | カタログ燃料消費率 |
HYBRID U | 2WD | 35.4km/L |
HYBRID X | 2WD | 36km/L |
HYBRID X | E-Four | 30.2km/L |
HYBRID G | 2WD | 35.8km/L |
HYBRID G | E-Four | 30.2km/L |
HYBRID Z | 2WD | 35.4km/L |
HYBRID Z | E-Four | 30.2km/L |
トヨタの1.5Lダイナミックフォースエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせています。信頼できるトヨタのハイブリッドシステムで、燃料消費率が世界トップクラスになる低燃費を実現しました。
さらに、ヤリスはアクセルの反応も良くなっているので、車を思い通りに操作できます。ずっと運転していたくなるような気持ち良い走りが楽しめます。
E-Four(電気式4WDシステム)も素晴らしいものです。発進時や雪道などの滑りやすい路面で、スムーズに4WD状態に切り替わるので、発進が楽で安定した走りができます。燃費性能はそのままに悪い路面状態で安定して走行できるのが魅力。
ハイブリッドシステムは小型軽量化されていて、車の後ろにコンパクトに配置されています。燃費もよく、足元のスペースや荷物を積むスペースもしっかりと確保されています。
ガソリン車
ガソリン車のカタログ燃料消費率は以下の通りです。
グレード | 駆動方式 | カタログ燃費 |
X | 2WD | 21.3km/L |
X | 2WD(6MT) | 19.6km/L |
X | 4WD | 19.1km/L |
G | 2WD | 21.0km/L |
G | 2WD(6MT) | 19.0km/L |
G | 4WD | 19.1km/L |
Z | 2WD | 21.3km/L |
Z | 2WD(6MT) | 19.0km/L |
Z | 4WD | 19.1km/L |
X/G(1.0L) | 2WD | 20.2km/L |
トヨタの新しい1.5Lダイナミックフォースエンジンは、TNGA(Toyota New Global Architecture)の思想を元に開発されています。このエンジンは、ロングストローク化とバルブ挟角の拡大といった技術で、燃費のよさを維持しながらパワーもあるというものです。さらに、エンジン自体をコンパクトにして軽くすることにこだわっているので、走りが軽快で燃費もよくなっています。
そして、このエンジンには「Direct Shift-CVT」という新しいCVTが使われています。通常のCVTの滑らかで燃費の良い特性に加えて、発進用のギヤを追加しているので、低速から高速まで力強くてダイレクトな走りが楽しめるCVTです。ほとんどのグレードで6速マニュアルも選べるというのも魅力的です。
新型ヤリスの実燃費
ハイブリッド車
燃費計測サイトのe燃費では、以下の実燃費が報告されています。
ヤリス(CVT):FF 33.59km/L、4WD 22.7km/L
※e燃費
ハイブリッド車でリッターあたり30km/Lを超える実燃費なのは、特筆すべきでしょう。FFモデルで燃費のよさが活かされています。
ガソリン車
e燃費での実燃費は以下の通りです。
ヤリス(CVT):FF 15.62km/L、4WD 17.56km/L
※e燃費
ガソリン車でも実燃費ではよい数値を記録しています。走行距離によってはあえてガソリン車を選ぶという選択肢もあるでしょう。ガソリン車では、4WDでも低燃費を記録しているのはポイントです。
「新型ヤリスの燃費が良いのはなぜ?」
ヤリスはコンパクトカーとして初めてTNGAプラットフォームを使っています。これによって車の重心が低くなり、軽くて強いボディを実現しているのです。その結果、「軽く、小さく、扱いやすく」なり、高い燃費性能も実現しました。
「X」なら940kgの車重でハイブリッドモデルの「X」でも1,050kgという軽量なボディです。ハイブリッドモデルは少し重量があるとはいえ、競合モデルと比較したなら十分軽量といえます。
さらに、ハイブリッドモデルには「1.5Lハイブリッドシステム」が使われていて、電気系や機械系のエネルギー損失を大幅に減らしているのです。これによって、ハイブリッド車として世界トップレベルの低燃費を実現しました。
ガソリン車とハイブリッドのどちらも、コンパクト化と軽量化を徹底的に追求することで、優れた燃費性能を実現しています。
新型ヤリスの走行性能

画像引用元:トヨタ ヤリス | トヨタ自動車WEBサイト
乗り心地
ヤリスは、コンパクトカーとしては初めてTNGAプラットフォームを採用しています。車の重量を軽くしながらも高い剛性を持ち、さらに重心が低くなりました。その結果、ねじり剛性も従来型より30%も強化されていて、優れた操縦安定性と快適な乗り心地を実現しているのです。
さらに、ハイブリッドモデルにはトヨタのコンパクトカーとして初めてE-Four(電気式4WDシステム)が採用されてます。システムのおかげで、雪道など滑りやすい路面での発進や走行が安定しているのが特徴です。
小回り性能
ヤリスのサイズは全長3,950mm、全幅1,695mmで、ちょうど5ナンバーに収まるサイズです。狭い道でも運転しやすい大きさです。
小回転半径は4.8mなので、縦列駐車や車庫入れの時もスムーズに操作できます。14インチタイヤを装着している2WD車の場合で、Uグレードや15インチ、16インチタイヤを装着している車や4WD/E-Four車の場合は5.1mです。それでも街中で使いやすい小回り性能です。
新型ヤリスの安全性能

画像引用元:トヨタ ヤリス
先進安全機能
ヤリスには、運転をサポートする機能や、事故を未然に防ぐための機能がたくさん搭載されています。
「プリクラッシュセーフティ」という機能は、対向車や歩行者(昼夜問わず)、自転車(昼)を検知して、衝突を回避したり被害を軽減するサポートをしてくれるものです。
交差点での検知にも対応しているので、右折時の対向直進車を検出してくれます。うっかりしたときに起きる事故を予防してくれるので安心です。
他にも、安全性や利便性を高める機能がたくさん搭載されているので、初めて車を購入する人や、安全に運転したいと思っている人にとって、ヤリスの運転支援機能は安心できるものです。
先進技術「トヨタチームメイト」
駐車が苦手な方におすすめなのが、「トヨタチームメイト」と呼ばれるサポートシステムです。
カメラとソナーで周囲をチェックしながら、ハンドルやアクセル、ブレーキ操作を自動で行って駐車をサポートしてくれます。スイッチ一つで、区画線のある駐車場での並列駐車や縦列駐車をアシストしてくれるので、駐車が苦手な人でも安心です。
メモリ機能を使うなら、区画線のない駐車場でも、事前に駐車位置を登録しておくことでサポートしてくれます。自宅の駐車場でも使えるので便利です。
新型ヤリスとヤリスクロスの燃費比較

ヤリスとヤリスクロスの燃費を比較してみましょう。
ハイブリッド車
ヤリス(CVT):FF 33.59km/L、4WD 22.7km/L
※e燃費
ヤリスクロス:FF 24.57km/L、4WD 22.43km/L
※e燃費
4WDではほとんど差がありませんが、FF車では大きな差があります。スタイリッシュさではヤリスクロスがおすすめですが、燃費を重視するならヤリスがよいでしょう。
ガソリン車
ヤリス(CVT):FF 15.62km/L、4WD 17.56km/L
※e燃費
ヤリスクロス:FF 16.02km/L、4WD 14.49km/L
※e燃費
ガソリン車では、ヤリスとヤリスクロスの差がほとんどありません。流行のSUVが好きな方ならヤリスクロスのガソリン車でもよいでしょう。
新型ヤリスと競合車種との燃費比較
ホンダ「フィット」

画像引用元:フィット|Honda公式サイト
ホンダのコンパクトカー「フィット」は、5つの異なるスタイルを持ち、多様なユーザーニーズに応えています。特に広い室内空間が評判のモデルです。
すべてのパワートレインでトランスミッションはCVTのみとなっています。フィットにはハイブリッド車とガソリン車がありますが、燃費を重視するならハイブリッドシステム「e:HEV(イーエイチイーブイ)」搭載のグレードがおすすめです。
「e:HEV(イーエイチイーブイ)」は走行シーンに応じて、最適なモードに切り替えることができます。電気モーターのみ、エンジンのみ、そしてハイブリッドモードの3つのモードを自動的に切り替え、燃費効率を高めながらパワフルな走行を実現しています。また、静粛性も向上しているため、走行音によるストレスが少なくなります。
ハイブリッドならヤリスと変わらないほどの燃費を実現しているフィットは、室内空間を求める方も比較してみるとよいでしょう。

スズキ「スイフト」

画像引用元:スイフト|スズキ
スズキの「スイフト」は、軽量で高剛性の新しいプラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」を採用しています。このプラットフォームに合わせてサスペンションも新設計され、走行性能が大幅に向上しています。
5ナンバーサイズを守りつつ、外観はより存在感があり、内装も上質になっています。車内の広さは前のモデルとほぼ同じですが、前席の座り心地が良くなり、長距離の移動も快適になりました。
エンジンは新しく開発された直列3気筒の1.2Lエンジンを搭載しています。前のモデルの4気筒エンジンに比べて少しノイズが気になるかもしれませんが、マイルドハイブリッドのWLTCモード燃費は、2WDのAT(CVT)が24.5km/L、5速MTが25.4km/Lに達します。
価格の安さと軽快な走りが比較ポイントになりそうです。実車を試乗して検討してみるとよいでしょう。

トヨタ「アクア」

トヨタ アクアは、ヤリスと同じく燃費が良いコンパクトカーです。ただし、ヤリスとの大きな違いは、アクアがハイブリッド車のみのラインナップであることと、外観や内装のデザインが異なる点です。
外観について言えば、アクアは親しみやすいシンプルなデザインで、ヤリスはスポーティーでアクティブなデザインが特徴です。また、アクアの方が少し全長が大きいなど、サイズにも違いがあります。
アクアは2011年12月から発売されているので、中古車を探すときには古い年式のモデルも選ぶことができます。
ハイブリッドなら少し室内が広いのはアクアですので、後席に乗る機会が多いならアクアもおすすめです。

日産「ノート」

画像引用元:日産:ノート
日産ノートは、ハイブリッドシステム「e-POWER(イーパワー)」を搭載したコンパクトカーです。
現行のノートには第2世代のe-POWERが搭載されています。この新しいシステムは、以前よりも力強い加速ができるうえに、とても静かです。発進や追い越しのときもスムーズに加速するので、運転がとても楽になります。
今の3代目ノートは、ハイブリッドモデルだけのラインナップになっています。2代目のノートが2016年11月にマイナーチェンジしてから「e-POWER」が初めて搭載されたので、それ以前のノートはガソリン車だけでした。
燃費を重視するならe-POWERを搭載した現行モデルがおすすめ。改良されてさらにスタイリッシュになっています。オプション装備できるプロパイロットはヤリスの装備と比較したいポイントです。

新型ヤリスにかかる維持費は?
ヤリスのおおよその維持費は以下の通りです。
ガソリン代は、リッターあたり160円、年間走行距離は1万kmとして計算します。
項目 | ヤリス ハイブリッド 2WD X 1.5L | ヤリス ガソリン 2WD X 1.5L |
グレード・仕様 | ハイブリッド 2WD X 1.5L | ガソリン 2WD X 1.5L |
ガソリン代 | 約48,000円(燃費33.0km/L) | 約102,000円(燃費15.6km/L) |
自動車税 | 34,500円(1,490cc) | 34,500円(1,490cc) |
任意保険 | 約30,000円~ | 約30,000円~ |
車検料金 | 約46,000円~ | 約46,000円~ |
メンテナンス消耗品費用 | 約10,000円~ | 約10,000円~ |
年間維持費合計 | 約168,500 | 約222,500円 |
月間維持費合計 | 約14,000円 | 約18,541円 |
ガソリン車とハイブリッド車のどちらも燃費がよいので維持費が抑えられています。
ガソリン代を含めて比較すると毎月の維持費にも差が出てくるので、走行距離に応じてハイブリッド車がよいのかガソリン車がよいのか検討しましょう。
もちろん維持費だけでなく、ハイブリッドの走行性能や給油の回数などの使い勝手も含めて検討するのはおすすめです。

よくある質問
- ヤリスの燃費性能は?
-
コンパクトカーでも軽量なボディとハイブリッドシステムが組み合わされることで、実燃費でも30km/Lを超えるグレードもあります。
- ヤリスと競合車種の燃費性能を比較すると?
-
競合モデルにも燃費がよいハイブリッドモデルがあります。コンパクトカーでも車内の広さや走行性能が異なっているので、重視するポイントを比較して車選びするとよいでしょう。


