街中を走行していると、同じ車種でも別メーカーのエンブレムを装着した車があります。そのような車がOEM車と呼ばれる車です。
しかし普段の生活でOEMという言葉を聞くことが少ないため、OEM車とはどのような車なのか、また購入するメリットやデメリットが分かりにくいことがあります。
この記事では、OEM車とはどのようなものか、メーカー別のOEM車など詳しくご紹介します。
OEM車とは何?
OEM車は、他の自動車メーカーが生産した車に、自社のブランド名をつけて販売している車のことです。オリジナルのメーカーの車と思っても、よく見るとエンブレムが異なっている車です。
OEMとは、「Original Equipment Manufacturing」という略で、特に自動車においては、他社が製造した車の提供を受けて販売する方法となります。
たとえば、ダイハツのロッキーという車はトヨタからライズという車名で販売されています。このように生産したブランドから提供を受けて、自社のブランドで販売した車はOEM車と呼ばれるのです。
一方で、スバルのBRZとトヨタの86のように、共同で開発されたならOEM車とは呼びません。ベースとなる車は共同で開発しながらも、それぞれの車にメーカーの味付けが加わって、オリジナルの車として販売されます。
OEM車のメリット
納期が早いことがある
同じ車種でもOEM車の場合は早く納車されることがあります。人気の車はすぐに売り切れになって、納期が延びる傾向があります。しかしOEM車はベース車ほど知名度が高くないことから在庫がある場合があるからです。
OEM車はそのメーカーにとってメインのラインナップではないため、販売や宣伝への力の入れ方が違います。
そのため、製造元のメーカーで納車待ちになっていても、OEM車は在庫があるケースがあるのです。もちろん同じオプションが装備できる場合と、そうでない場合があるので、必要なオプションが設定されているか確認しておきましょう。
お得に購入できる場合がある
OEM車はお得に購入できる場合があります。製造元のメーカーの中古車は値段が落ちにくいことがあります。
しかしOEM車を選択すると、中古車相場が低めのことがあったり、新車の値引きが多めになっていることがあるためお得です。
もちろん在庫状況によっても異なりますが、OEM車に抵抗がないなら検討してみるのもよいでしょう。
同じディーラーから購入できる
ディーラーでの付き合いがすでにある場合は、同じ店舗や営業の方から購入したいという方もおられます。
OEM車なら同じディーラーで好みのサイズや排気量の車を選択できるかもしれません。メーカーによってラインナップが異なるため、メーカーオリジナルの車が選択できなくても、OEM車なら希望する条件を満たしていることがあります。
OEM車のデメリット
見た目が悪いという印象がある
OEM車はどうしてもOEM提供元のエンブレムではなく、販売しているメーカーのエンブレムになります。そのため、製造しているメーカーのエンブレムではないのが「かっこ悪い」と感じる方もおられます。
しかしトヨタのライズとダイハツのロッキーのように、OEM車の方が人気があるというケースもあるので、一定というわけではありません。
もしメーカーにこだわりがあるなら、製造元のメーカーのエンブレムの方がよいと感じる方もおられるでしょう。
下取り価格が期待できない
OEM車の場合は、オリジナルメーカーの車種と比較するとどうしても下取り価格が付きにくいと言われているのがデメリットです。
新車時の値引きが期待できたり、中古車相場が低いので、どうしても下取りの価格も期待できません。もし購入した車を長く乗るつもりであればデメリットではありませんが、乗り換えを検討しているなら懸念点となるでしょう。
軽自動車にOEM車が多い理由
軽自動車にはOEM車が多くラインナップされています。軽自動車を自社で生産していないメーカーもあるため、OEM車を販売することで軽自動車を確保しています。
マツダやスバルは軽自動車のラインナップはすべてOEM車となっているので、軽自動車は自社開発での生産をしていません。

メーカー別のOEM車一覧
ダイハツ
ブーン

画像引用元:ブーン|ダイハツ
- トヨタ/パッソ
パッソは、元々2004年にトヨタとダイハツの共同開発車として販売がスタートしました。しかし現行のパッソは2016年に販売開始されると、ダイハツのOEM車となりました。精悍なデザインが多いトヨタ車のラインナップの中で、かわいい雰囲気がある車として販売されています。
ダイハツのブーンもトヨタのパッソも車両価格は1,275,000円からのスタートです。OEM元となるブーンの方がグレード展開が多くなります。
トール

画像引用元:ダイハツ
- トヨタ/ルーミー
- スバル/ジャスティ
ダイハツのトールは、トヨタではルーミー、そしてスバルではジャスティとして販売されています。トヨタのコンパクトカーとして販売され、販売台数も上位になっていますが、実はダイハツが製造した車。
ちょうどよいパッケージで、コンパクトでも広々した車内の車が欲しい方にぴったりのモデルです。
ロッキー

画像引用元:ロッキーダイハツ
- トヨタ/ライズ
- スバル/レックス
ダイハツのロッキーは、トヨタからライズとして販売されています。しかしフロントフェイスのイメージが異なっているので、トヨタ車のイメージが強いモデルです。
スバルのレックスのフロントフェイスは、ロッキーであると気づきやすいデザインです。スバルのレックスはグレードが限られているので、メーカーの違いだけでなくグレードも注意しておく必要があるでしょう。

ミライース

画像引用元:ダイハツ
- トヨタ/ピクシスエポック
- スバル/プレオ+
ミライースはトヨタのピクシスエポック、スバルのプレオ+として販売されています。低燃費に走行できるミライースですが、トヨタにはビジネス向けのグレードが設定されています。
プレオ+は装備が充実したグレードがありますが、ミライースよりもグレードの数が3つと少ないです。希望する装備をチェックしておくのをおすすめします。

ハイゼットトラック

画像引用元:ダイハツ
- トヨタ/ピクシストラック
- スバル/サンバートラック
軽トラックのハイゼットトラックは、トヨタとスバルに提供されています。スバルのサンバーは、従来はリアエンジンという独特の搭載方法を採用したモデルでした。現行になりハイゼットトラックのOEM車両となりました。
ハイゼットカーゴ

画像引用元:ダイハツ
- トヨタ/ピクシスバン
- スバル/サンバーバン
軽バンのハイゼットカーゴもトヨタとスバルに提供されています。サンバーバンは以前はスバルが製造する軽バンでしたが、現行はハイゼットカーゴのOEM車両です。
グランマックストラック&バン

画像引用元:グランマックス |ダイハツ
- トヨタ/タウンエーストラック&バン
- マツダ/ボンゴトラック&バン
トヨタの商用車というイメージがあるタウンエースですが、ダイハツのグランマックスシリーズのOEM車両です。
ムーヴ

画像引用元:ムーヴ|ダイハツ
- スバル/ステラ
ダイハツのトールワゴンの定番車種のムーヴは、スバルのステラとしてOEM提供されています。ほとんど違いはありませんが、バンパーやエンブレムのデザインに違いがあります。
エクステリアの大きな違いはないため、メーカーにこだわりがないなら、ステラを選択するのもよいでしょう。ステラカスタムになると、グリルの形状が異なっています。
タント

- スバル/シフォン
タントがOEM提供されてスバルからシフォンとして販売されています。エクステリアでは大きな違いはなく、エンブレムの違いが主になります。
また、ボディーカラーも少しの違いがあるので、事前にチェックしておきましょう。ブラインドスポットモニターがシフォンに装着できないなど、オプションの違いもあるのも注意が必要です。
タントとシフォンの違いは?買うならどっちがよい? | 車購入のお役立ち情報カミタケマガジン (kamitake.net)

スズキ
エブリイワゴン

画像引用元:スズキ
- 日産/NV100クリッパーリオ マツダ/スクラムワゴン
- 三菱/タウンボックス
スズキのエブリイワゴンは、日産にNV100クリッパーリオ、マツダにスクラムワゴン、三菱にタウンボックスとして販売されています。
どれもエンブレムのみの違い程度で大きな違いはありません。このような車種ほどOEM車を選択しやすいといえるでしょう。
エブリイ

画像引用元:スズキ
- 日産/NV100クリッパー
- マツダ/スクラムバン
- 三菱/ミニキャブバン
基本的に大きな違いはありませんが、選択できるグレードやミッションなどが異なります。ボディカラーも含めて、車選びの際に注意しておくといいでしょう。

キャリイ

画像引用元:キャリイ スズキ
- 日産/NT100クリッパー
- マツダ/スクラムトラック
- 三菱/ミニキャブトラック
軽トラックのキャリイも、OEM車両のNTクリッパーやスクラムトラック、さらにミニキャブトラックと基本的に変わりません。
ワゴンR

画像引用元:ワゴンR|スズキ
- マツダ/フレア
ワゴンRは基本的にフレアと変わりありません。違いとして、スズキのワゴンRスティングレーに相当するグレードはフレアに設定されていません。
そのため、より押し出し感があるグレードが欲しい方はフレアに該当するグレードがないでしょう。標準グレードで問題ないなら、フレアから選択可能です。
スペーシア

- マツダ/フレアワゴン
スペーシアはフレアワゴンとしてOEM販売されています。標準グレードやアウトドアスタイルのタフスタイル、またカスタムスタイルとグレードの選択肢は多くなっています。
どのスタイルでも基本的に選択できるので、OEM車両でもよいならフレアワゴンを選択するのもおすすめです。
ハスラー

- マツダ/フレアクロスオーバー
人気車種のハスラーもマツダにフレアクロスオーバーとして販売されています。グレードでは、通常のモデルの他にターボ搭載グレードも設定されているので、グレードの選択はしやすいでしょう。
アルト

- マツダ/キャロル
スズキのアルトは、キャロルとして販売されています。基本的に同じように展開されていますが、4WD車を選択できるグレードが限られています。
ソリオ

画像引用元:ソリオ|スズキ
- 三菱/デリカD:2
デリカD:2としてスズキのソリオが販売されています。標準グレードだけでなく、ソリオバンディットに相当するグレードも展開されているのが特徴です。
コンパクトカーを選択したいという三菱ユーザーにぴったりの選択肢となるでしょう。

トヨタ
ハイエースバン

- マツダ/ボンゴブロニィーバン
ハイエースバンは、マツダからボンゴブローニイバンとして販売されています。エンブレム以外はハイエースのみとなっていますが、商用向けのグレードが展開されています。
内装が上質になったグレードは展開されていないので注意が必要です。
プロボックス

画像引用元:トヨタ プロボックス
- マツダ/ファミリアバン
プロボックスは、マツダからファミリアバンとして発売されていますが、3グレード展開でも装備が少し異なっています。
必要な装備や加飾などを考えて車選びするとよいでしょう。
カムリ

画像引用元:トヨタ カムリ
- ダイハツ/アルティス
トヨタのカムリがダイハツからアルティスとして販売されています。アルティスは1グレードのみの展開なので、カムリの方が複数のグレードから選択できます。
ダイハツで購入したいならアルティスを選択できますが、約406万円からとなっているので、カムリの約349万円からと車両価格でも開きがあるのが注意点です。
ノア

- スズキ/ランディ
トヨタの人気ミニバンであるノアは、スズキからランディという名前で販売されています。1グレードのみの展開で、ガソリンモデルとハイブリッドモデルが販売されています。

日産
NV350キャラバン

画像引用元:日産
- いすゞ/コモ
NV350キャラバンは、いすゞからコモとして販売されています。グレードが限られているので、装備や加飾の希望によっては限定的な選択肢となるでしょう。
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