日産の「セレナ」とトヨタの「ノア＆ヴォクシー」は、ファミリー層に人気のあるミドルサイズクラスのミニバンです。これらは長年にわたってシェア争いを繰り広げてきたライバル同士であり、2022年11月28日にはセレナの6代目となる新型が発表され、大きな話題となりました。
それでは、実際にこれら2モデルには、どのような特徴や個性があり、どのような優位性があるのでしょうか。具体的な装備を詳細に比較することで、それぞれの魅力を浮き彫りにしてみましょう。
セレナとノアで迷ったら？比較のポイントは3つ
どちらもファミリーカー向けのミドルサイズミニバンとして人気を二分する人気車種、購入時にどちらを選ぶべきか？その比較ポイントに悩まれた読者も多いことでしょう。この2台、いったいどのような点で比較すればよいのでしょうか？
セレナとノア、実はその比較ポイントは大きく3つのポイントに集約されるといってよいでしょう。ここでは大きく3つの比較ポイント「シートアレンジ」「パワーユニット」「安全装備」について詳しく解説しましょう。
シートアレンジ
まず1つ目はシートアレンジです。ファミリー層向けとしては、多くの人数を乗せる、もしくはたくさんの荷物を載せるなど、シーンによってシートアレンジは重要な要素になるでしょう。
セレナとノアは、どちらも3列シートを備えたミニバンですが、シートアレンジの自由度には違いがあります。
セレナは、2列目シートを前方にスライドさせて、フラットな荷室空間を作れます。また、3列目シートを跳ね上げて格納できるので、広い荷物も積み込むことができます。
ノアも2列目シートを前方にスライドさせて、フラットな荷室空間を作ることができますが、3列目シートを完全に格納することはできません。
セレナの2列目シートは独立してスライド、リクライニング、前後移動できるので、乗員のニースペースを広げたり、荷室を広げたりすることができます。ノアの2列目シートは7人乗りユーティリティパッケージが選択でき、3列目への乗り降りがスムーズになるシートアレンジを選択可能です。
比較してみると、セレナの方がノアよりもシートアレンジの自由度が高いため、荷物を積み込む際や乗員の移動の際に便利です。
シートアレンジで比較する要素には、3列目シートの格納方法の違いがあります。セレナは手動で格納するのに対して、ヴォクシーはワンタッチで格納可能。女性でも簡単にシートアレンジしやすいのが魅力です。
シートアレンジの選び方には、家族構成やライフスタイルが大きく関係します。家族が多い場合や、頻繁に荷物を積み込む場合は、セレナの方がおすすめです。また、2列目シートの快適性を重視する場合も、セレナの方がおすすめです。
以下に、シートアレンジの違いを整理しています。
| 項目 | セレナ | ノア |
| 2列目シートのスライド | 640㎜ | 745-705㎜ |
| 3列目シートの格納方法 | 完全格納 | 折り畳み |
パワーユニット
シートアレンジに続き、両者の比較の重要なポイントとして、パワーユニットが上げられます。走りに影響する部分ですので車にとっては大きな比較ポイントとなりますね。
セレナ
- 2Lガソリン車
- 1.4L＋モーター：e-POWER車
ノア
- 2Lガソリン車
- 1.8L＋モーター：ハイブリッド車
まずはガソリンエンジンの比較です。
セレナのガソリン車は、新世代CVTを採用しており、アクセルの応答性を向上させています。気持ちのよい走りやスムースな走りを実現するものです。最高出力は150PSです。
ノアも同排気量のガソリンエンジンですが、出力は170PSです。出力のみで比較すると、ノアのガソリンエンジンの方が出力が高くなっています。
ガソリンエンジンのWLTCモードの燃費は以下の通りです。
ガソリンエンジンの燃料消費率
- セレナ：13.4km/L
- ノア：15.0km/L
ガソリンエンジンのスペックは、ノアの方が上回っていますが、燃費はセレナの方が上回っています。これは、セレナのボディサイズがノアよりも小さいこと、そして空力性能が優れていることが理由です。
次にハイブリッドエンジンの比較です。
ハイブリッドエンジンは、セレナは1.4Lエンジンに対して、ノアは1.8Lと排気量が異なります。そもそもハイブリッドシステムの違いがあり、セレナはe-POWERと呼ばれるエンジンは発電に徹して、電力でモーターを駆動するシリーズ式です。
ノアはトヨタのお家芸ともいえる1.8Lエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステムです。
ハイブリッドエンジンの燃料消費率
- セレナ：20.6km/L
- ノア：23.4km/L
パワーユニットの選び方には、走行シーンや燃費性能が大きく関係します。走行性能を重視する場合は、ノアの方がおすすめです。もちろんセレナのモーターのスムースな走りも魅力的です。
安全装備
3つ目は安全装備です。家族向けのミニバンとして、安全装備は比較の必須事項といえます。どのような装備が搭載されているのか？比較してみましょう。
安全装備として代表的な装備は下記の6つになります。
1．自動ブレーキシステム
自動ブレーキシステムとは、車両が前方にある障害物に衝突する危険がある場合、自動的にブレーキをかけるシステムです。カメラやレーダーなどのセンサーを使用して、前方の障害物を検知し、ドライバーに警報を発します。
2．車線逸脱警報システム
車線逸脱警報システムとは、車両が車線を逸脱する危険がある場合、ドライバーに警告を発するシステムです。カメラやレーダーなどのセンサーを使用して、車線の白線や黄線を検知し、車両が車線を逸脱する可能性があると判断した場合に、ドライバーに警報を発します。車線を逸脱する事故を未然に防ぐために有効なシステムです。
3．後方自動ブレーキシステム
後方自動ブレーキシステムとは、車両が後退する際に、後方の障害物にぶつかる危険がある場合、自動的にブレーキをかけるシステムです。カメラやレーダーなどのセンサーを使用して、後方の障害物を検知し、ドライバーに警報を発します。
4．オートハイビーム
オートハイビームとは、周囲の状況を検知し、ハイビームとロービームを自動で切り替えてくれる機能です。オートハイビームは、カメラやレーダーなどのセンサーを使用して、対向車や先行車を検知し、ハイビームをロービームに切り替えます。
これにより、ハイビームの明るさで走行しながらも、対向車や先行車のドライバーの目をくらまさないようにします。オートハイビームは、安全運転をサポートする重要な機能です。
5．ブラインドスポットモニター（インテリジェントアラウンドビューモニター）
ブラインドスポットモニターとは、車線変更時に後方から接近する車両を検知し、警告してくれる機能です。ブラインドスポットモニターは、カメラやレーダーなどのセンサーを使用して、後方から接近する車両を検知し、ドアミラーに警告灯を表示します。これにより、ドライバーは車線変更時に後方から接近する車両に気づき、事故を未然に防ぐことができます。ブラインドスポットモニターは、安全運転をサポートする重要な機能です。
6．パーキングアシストシステム
パーキングアシストシステムとは、車両を駐車する際に、ドライバーをサポートするシステムです。パーキングアシストシステムには、いくつかの種類がありますが、一般的には、車両の周囲にある障害物を検知し、ドライバーに警告を発するシステムです。また、車両を自動的に駐車するシステムもあります。パーキングアシストシステムは、安全運転をサポートし、駐車を簡単に行うために有効なシステムです。
2台の搭載は下記のとおり。セレナのほうが多くの安全装備が備わっています。
| 装備 | セレナ | ノア |
| 自動ブレーキシステム（AEB） | 〇 | 〇 |
| 車線逸脱警報システム | 〇（LDW） | 〇（LDA） |
| 後方自動ブレーキシステム（RCTA） | 〇 | 〇 |
| オートハイビーム | 〇 | 〇 |
| ブラインドスポットモニター | 〇（一部グレード標準） | （オプション） |
| パーキングアシストシステム | プロパイロットパーキング 〇（一部グレード標準） | 〇（一部グレード標準） |
セレナとノアは、どちらも自動ブレーキシステム、車線逸脱警報システム、後方自動ブレーキシステムなどを標準装備しています。しかし、セレナは、オートハイビームとブラインドスポットモニターを一部グレードで標準装備しているのに対し、ノアはこれらの装備がオプションとなっています。
比較してみると、セレナはプロパイロット2.0が選択できるので、一定条件の高速道路でのハンズオフが可能です。
セレナは、ノアよりも多くの安全装備を標準装備しているため、安全面ではセレナの方が優れているといえます。
セレナは安定したファミリー向けミニバン
セレナは、安定した走行性能と広い室内空間を兼ね備えたミニバンです。シートアレンジも自由度が高く、ファミリーカーとして使いやすい車です。また、燃費も優れているので、経済的にも優れています。
ミニバントップクラスの車内スペースを持っているので、大人数での乗車も快適にできます。2列目シートはロングスライドできるので、大人でも足元の空間にゆとりがあるほどです。
セレナにはルキシオンという上位グレードが設定されています。セカンドシートがキャプテンシートになっているので、2列目シートに座るときも快適です。
プロパイロット2.0も標準装備されているので、高速道路での移動が多いなら便利な機能が搭載されています。家族でのお出かけが多いなら、セレナの装備は魅力的です。
スタイリッシュになった新型ノア
新型ノアは、2022年1月にフルモデルチェンジをしました。新デザインのフロントマスクやインテリアが採用され、よりスタイリッシュなミニバンになりました。また、安全装備も充実し、ファミリーカーとして使いやすい車になりました。
新型ノアのフロントマスクは、トヨタの新しいデザイン言語「TNGA」を採用しています。大きなグリルとシャープなヘッドライトが特徴的です。インテリアは、質感の高い素材が使用され、上質な空間を演出しています。また、シートはゆったりとしたサイズで、快適な乗り心地を実現しています。
新型ノアには、トヨタの安全運転支援システム「Toyota Safety Sense」が標準装備されています。Toyota Safety Senseには、自動ブレーキ、車線逸脱警報、自動ハイビームなど、さまざまな機能が搭載されています。これらの機能により、安全運転をサポートし、事故を未然に防ぐことができます。
新型ノアは、スタイリッシュなデザイン、充実した安全装備、広い室内空間を兼ね備えた、ファミリーカーに最適なミニバンです。
カミタケチャンネル！
新しいセレナとノアを比較しています。人気ミニバンを徹底比較しているので、動画でチェックしてください。
運転席からの視界を比較
セレナとノアの運転席からの視界は、どちらも良好です。セレナは、ノアよりもフロントウインドウが大きく、視野が広いです。また、ノアは、セレナよりもウエストラインが低く、下方の視界が良好です。
セレナとノアの運転席からの視界は、どちらも良好です。どちらの車種を選ぶかは、自分の好みや用途によって異なります。広い視野を求める場合はセレナ、下方の視界を求める場合はノアがおすすめです。
車内スペースやシートアレンジで比較
次に、車内スペースとシートアレンジについて詳細に比較してみましょう。
まず、セレナとノアの車内スペースはどちらも広くなっていますが、それぞれに特徴があります。セレナは室内長が長く、足元が広いのが特徴です。一方、ノアはセレナよりも全幅が広く、横幅が広いので、座席にゆったりと座ることができます。
具体的な数字で見ると、セレナの室内長は3,145mmで、ノアの室内長は2,805mmです。したがって、セレナはノアよりも340mm長く、特に2列目の足元スペースが広くなっています。
また、セレナの室内幅は1,545mmで、ノアの室内幅は約1,470mmです。セレナはノアよりも広くなっており、特に3列目の座席がより広々としています。
次にシートアレンジについてです。両車種とも自由度が高く、多彩なシートアレンジが可能ですが、それぞれに違いがあります。セレナは、2列目のシートを前方にスライド、リクライニング、分割可倒式にすることができます。
これにより、荷室の長さを調整して大きな荷物を積み込むことができます。一方、ノアもシートを跳ね上げて格納できるので、荷物に合せて調整しやすいのが魅力です。
2列目シートのスライド幅は、ノアが7人乗りで745mm、8人乗りでも705mmと調整幅が広いです。
パワーユニットの違いを比較
パワーユニットについては、ガソリンエンジン、ハイブリットエンジン、総合で特性が異なります。
特に、ハイブリッドエンジンはセレナにシリーズ式、ノアはパラレル式ハイブリッドが搭載されています。
安全装備の違いを比較
画像引用元：日産
安全装備については、先にも説明したとおり、セレナに軍配があがります。多くの安全装備を標準装備しており、より安全性が高いといえるでしょう。
プロパイロット2.0が選択できるので、高速道路でのハンズオフにも対応しています。より先進の装備を求めるのであれば、セレナの方が優れているといえるでしょう。
もちろんノアにも優れた装備がありますが、ハンズオフには対応していません。
ノアもオプションにて追加装備は可能ですが、パーキングアシストシステムはセレナにしかありません。より安全を意識される方であればセレナがおすすめと言えます。
セレナとノアの価格比較
セレナとノアの価格は、グレードによって異なりますが、一般的にセレナの方がノアよりも価格が低めです。
セレナの価格は、2,768,700円～となっています。
一方、ノアの価格帯は2,670,000円〜となっています。
使い勝手やエクステリアの好みの違いがあるので、単純に価格だけで判断できないものの、ノアのエントリーグレードの方が価格が抑えられています。
一方で上位グレードになるとノアは3,890,000円なのに対して、セレナのルキシオンは4,798,200円です。装備の違いがありますが、セレナの方が高くなります。
広さを重視するならどっち？
セレナとノアは、どちらも人気のあるミニバンです。両車とも広い室内空間を提供していますが、セレナの方がノアよりも室内空間が広い傾向にあります。
セレナとノアの室内空間の具体的な比較は以下の通りです。
| 項目 | セレナ | ノア |
| 室内長 | 3,145mm | 2,805mm |
| 室内幅 | 1,545mm | 1,470mm |
| 室内高 | 1,400mm | 1,405mm |
ファミリーカーとしての使いやすさなら？
セレナとノアの使いやすさを比較してみましょう。
まず、室内空間についてです。両車とも広い室内空間を備えていますが、セレナの方がノアよりも室内が広くなっています。特にセレナは室内高がノアよりも50mm高く、頭上空間に余裕があります。
次にシートアレンジに関してです。セレナとノアの両車とも3列シートを備えていますが、セレナの方がシートアレンジの自由度が高くなっています。セレナでは、2列目シートを前方にスライドさせることで、3列目シートの足元スペースを広くすることができます。また、2列目シートを左右にスライドさせることで、3列目シートへのアクセスが容易になります。
ノアは、仕様によって3列目シートへの乗降がしやすいシートスタイルがあるのも特徴です。使い方に合わせて選択しやすいでしょう。
収納スペースについても両車とも広い収納スペースを備えていますが、セレナはノアよりもラゲッジスペースが広く、荷物をたくさん積むことができます。さらに、セレナはドアポケットやアームレストなどの収納スペースも充実しています。
安全装備においても、両車とも充実した装備を持っていますが、セレナの方が多くの安全装備を標準装備として提供しています。セレナは、ノアよりも歩行者や自転車にも対応した自動ブレーキシステムや車線逸脱警報システムを標準装備しています。
総じて、セレナとノアはどちらもファミリーカーとして使いやすい車両ですが、セレナの方が室内空間が広く、シートアレンジの自由度が高いため、ファミリーカーとしての利便性が高いといえます。また、安全装備も充実しているので、安心して運転できる点も魅力的です。ファミリー向けの快適性と使い勝手を求める場合は、セレナがおすすめです。
セレナとノア以外のおすすめミニバン
これまでセレナとノアについての比較をしてきましたが、ファミリーカーとしてほかにおすすめできるミニバンはないのでしょうか？ここでは2つのおすすめミニバンについて解説します。
トヨタ アルファード
まず最初はトヨタアルファードです。
アルファードはトヨタ自動車のフラッグシップミニバンであり、初代が2002年に登場してから現在は4代目が販売されています。この車種は高級感と機能性を兼ね備えたミニバンとして非常に人気があり、高級サルーンとして使用されています。
アルファードの特徴は、以下の通りです。
- 高級感のある内外装
- 広い室内空間
- 充実した安全装備
- 優れた走行性能
一方、ノアとセレナはアルファードとは価格帯やターゲットが異なります。ノアとセレナはファミリー向けのミニバンとして人気があり、価格もアルファードよりもリーズナブルです。一方で、アルファードは高級感や機能性を重視した車種として、ノアやセレナよりも価格が高く設定されています。
ホンダ フリード
フリードは、ホンダのミニバンであり、2008年に初代が登場してから現在は3代目が販売されています。コンパクトなボディサイズながらも広い室内空間を実現しており、ファミリーカーとして非常に人気があります。
フリードの特徴は、以下のようになります。
- コンパクトなボディサイズ
- 広い室内空間
- 低床フロア
- 多彩なシートアレンジ
- 充実した安全装備
一方、ノアとセレナはトヨタのミニバンであり、フリードとは価格帯やターゲットが異なります。ノアとセレナはファミリー向けのミニバンとして人気が高く、価格もフリードよりもリーズナブルです。それに対して、フリードはコンパクトなボディサイズと低床フロアを特長としており、女性や高齢者にも取り回しがしやすく、多くの支持を受けています。
セレナとノアをお得に購入する方法
ファミリーカーとして人気を二分するセレナとノアですが、お得に購入するにはどうすればよいのでしょうか？特におすすめなのが低金利プランでの購入です。
未使用車
未使用車とは登録済（届出済）未使用車とは初度登録されていて一般の運行に供されていない車のことです。
登録されているので、中古車になりますが、コンディションは新車に近いのでお得に購入したい方におすすめの購入方法です。
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よくある質問
- セレナとノア、燃費が良いのはどちらですか？
-
走行シーンにも左右されますが、ノアの方が燃費が良い傾向にあります。ただし、グレード、走行条件などによって異なるため、カタログスペックを確認しましょう。また、ハイブリッド車の場合は、燃費が大幅に向上することがあります。
- セレナとノア、室内はどちらが広いですか？
-
セレナとノアは、ミドルサイズミニバンですが、室内空間ではセレナが有利です。そのため、広い室内空間と快適な乗り心地を求める場合はセレナがおすすめです。
- セレナとノア、どちらの価格が高いですか？
-
セレナとノアの価格は、グレードによって異なりますが、セレナの方がノアよりも車両価格が高くなります。特に上位グレードのルキシオンは、ノアよりも高く、質感と装備が充実しているのが特徴です。
