トヨタが展開しているスポーツカーには、「GR」という名前がついたモデルがあります。しかし似たような言葉として、「GRMN」や「GRスポーツ」という名前もあります。
似ているようで実はコンセプトが違っているのがこれらのシリーズですが、そもそもどのような意味があるのでしょうか?
この記事では、トヨタのスポーツシリーズであるGRについて詳しく紹介します。


GRとは?モータースポーツ向けモデル

画像引用元:About GR | トヨタ自動車WEBサイト
GRとは、トヨタの社内カンパニーのことで、GAZOO Racingというトヨタのレーシングチームから得た知見を市販車に反映させたものです。
最近ではヤリスのWRCモデルが活躍していますが、他にもニュルブルクリンク24時間レースやSUPER GT、全日本ラリー選手権などのモータースポーツに参加しています。
トヨタの各車がスポーティになり、走行性能を高めたものになるように、チューニングパーツが搭載されています。
トヨタのカタログにもGRシリーズの車種が掲載されていますが、走りを重視したチューニングが施されていて、チューニングのレベルに応じて、GRスポーツ、GR、そしてGRMNの3つのクラスがあります。
各クラスのモデルは、エンジンのパワーアップや専用エアロパーツ、アルミホイールの装着、ボディや足回りの強化、スポーツシートや特別な装飾など、スポーティな特徴が盛りだくさんです。
G’sとGRの違いとは?

画像引用元:G’s TOYOTA GAZOO Racing
G’sとは、トヨタが展開していたコンプリートカーのことです。市販車をベースに内外装にチューニングが施されており、スポーティな走りができるモデルになっています。
普段の使い勝手も捨てずに、それでもスポーティな走りを楽しみたいという方向けになっているのが特徴です。本格的なスポーツカーでなくても、軽快な走りになるようにカスタムされているモデルです。
G’sブランドは、テストドライバーが開発を担当しており、性能を高めて満足できる仕上がりになっています。
ヴォクシーやノアに設定されたのが始まりとなり、マークXやヴィッツなど様々なジャンルの車に設定されていました。
その後新ブランドのGRに移行したことにより、G’sブランドは廃止されました。
GAZOOとブランドとの関係性

画像引用元:Sébastien Ogier Edition / Kalle Rovanperä Edition | GR YARIS | GR | TOYOTA GAZOO Racing
「GR」については既述したようにGAZOO Racingから取られています。しかしそもそも「GAZOO」って一体何だろう?と思う人もいるかもしれません。
この「GAZOO」という言葉は、豊田章男社長がまだ役員の頃に始めたネットビジネスの名前だったのが始まりです。「ガズー」という発音ですが、これは「画像」の「が」と「動物園」の「ズー」から取って「GAZOO」と名付けられて、画像付きの中古車検索サービスがスタートしました。
その後、1998年には自動車関連の総合eコマースサイト「GAZOO.com」を立ち上げて、始めはレースとは全く別のものという始まりでした。
ところが、豊田社長が副社長時代に、ニュルブルクリンクの24時間レースにこっそり参加したことがきっかけで、GAZOOがモータースポーツと結びつくようになったという背景があります。結局、社長が「モリゾウ」という名前で出場したこともあって、参加チームは「GAZOO.com」がバックアップする形になりました。
それが2009年、GAZOO Racingとしてニュルブルクリンク耐久レースに参戦し始め、2016年にはトヨタのレース活動全体が「TOYOTA GAZOO Racing」という名前で統一されました。このようにして、GAZOOはトヨタのレース活動と深く結びついていったという背景があります。
各ブランドの違い
レベルの高い市販車「GRMN」

「GRMN」は、車好きなら誰もが注目するトヨタのGRシリーズの中でも、特に走りを極めたスポーツモデルのトップに君臨するブランドです。これまでに登場したのは、マークX GRMN(2015年モデル)、マークX GRMN、86 GRMN、ヴィッツ GRMN、ヴィッツ GRMN ターボ、iQ GRMN、iQ GRMN スーパーチャージャーといった7モデルで、全てが限定生産。発売されるやいなや、あっという間に完売するほどの人気ぶりです。
「GRMN」の名前の由来は、トヨタのモータースポーツブランド「Gazoo Racing」の「GR」と、2000GTやセリカ、AE86といった伝説のスポーツカーを手掛けた成瀬弘氏の愛称「マイスターオブニュルブルクリンク」という称号の「MN」を組み合わせたものです。由緒正しい名前です。
GRMNシリーズのクルマたちは、もともとのモデルと比べると、まるで別物に生まれ変わるほど徹底的にチューニングされています。ただの速さだけでなく、走りの質を極限まで高めた究極のスポーツモデルといえるでしょう。
たとえば2013年に登場したヴィッツ GRMN ターボは、直列4気筒エンジンにターボチャージャーをプラスして、ベースモデルからなんと43psもパワーアップしました。その結果、最高出力が152psにも跳ね上がり、最大トルクも206Nmになっています。速さだけでなく、制動力にもこだわっていて、フロントには対向4ピストンキャリパーがついています。
そして、足元を飾るのはBBS社製の17インチアルミホイール。見た目にも、性能にも、完全にプレミアムな仕上がりです。
手軽なスポーツモデル「GRスポーツ」

画像引用元: ヤリス クロス | トヨタ自動車WEBサイト
「GRスポーツ」は、2017年にデビューしたGRブランドの手軽な下のラインに位置するシリーズです。これは、2010年からあったG’sが前身で、専用エアロの取り付けや、ボディやシャシーを強化することで、普通のモデルとは一線を画しています。トヨタはこの「GRスポーツ」を、日常生活にマッチしながら走る楽しさを提供するエントリーレベルのスポーツモデルと位置付けていて、コペン、アクア、ヤリスクロス、ランドクルーザー300といった幅広い車種にラインナップしています。
スポーツカーっぽく見せるだけではありません。確かに「GRブランド」の中では一番手が届きやすい位置にありますが、ベースモデルと比べたなら、その手が加わった跡は歴然としています。
ボディの剛性を上げたり、シャシーを強化したりという点では「GRMN」や「GR」には及ばないものの、安定感が増して、スポーティな乗り心地を実現しているのが人気の秘密です。
さらに、「GRMN」がベースの倍近い値段がするのに対して、「GRスポーツ」は約20万円〜のプラスで買えます。その価格と性能のバランスの良さが、コスパが高いと評価されている理由です。
本格スポーツ「GR」

画像引用元:トヨタ GR86 | トヨタ自動車WEBサイト
GRブランドは、トヨタの中でも特にスポーツカー愛好家の心をくすぐるラインナップを揃えているモデルです。GRMNに次いで、GRはスポーティなスタイルを高めています。GRMNほどではないですが、ボディの強度を上げたり、サスペンションを特別にチューニングしたりして、細かい部分まで手が加えられています。
トヨタはGRを「日常で楽しめる本格スポーツ」と位置づけていて、GRMNが限定販売で手に入りにくいのに対して、GRはカタログモデルなので、購入しやすいのが特徴。とはいえ、人気車種なので販売が限られているモデルもあります。
GRヤリスとGRスープラが市場に出ていて、さらに2021年4月に発表されたGR 86やGRカローラなどがあります。GR専用の迫力あるフロントグリルが特徴で、GR 86に搭載されている2.4Lの水平対向4気筒エンジンは、その性能をさらに引き上げているのが特徴です。
GR Garageとは?

画像引用元:GR Garage | トヨタ自動車WEBサイト
GRシリーズのスープラや86のようなカッコいい車を試乗できるだけでなく、カスタマイズパーツやTGRのオシャレなグッズも見れるスペースです。
試乗車や展示スペースの他に「GRコンサルタント」という、専門のトレーニングを受けたプロがいつも滞在しているスペースです。「車のここをちょっと変えたいな」と思ったとき、トヨタのパーツに限らず、ピッタリのチューニングパーツを教えてくれます。
さらに、そのパーツをつけたり、スーパーチャージャーを後から付けるような作業も、実際に行ってくれるエンジニアがいます。
その他にGR Garageは店舗内や店舗外でイベントを実施して、車を楽しめる環境を整えています。
現行のGRモデル
GRスポーツ
アクア GRスポーツ

画像引用元:トヨタ アクア
ちょっとスポーティなコンパクトカーになっているアクアのGRスポーツは、ハイブリッドで低燃費でも、かつ軽快な走りを求める方にぴったりのモデルです。
フロントスプリングやダンパー、さらにブッシュが強化されてハンドリングが向上しています。ボディ剛性が高まっているので、コーナリングも安定しています。
コンパクトスポーツを求める方におすすめのモデルです。他のタイプと比較しても購入しやすい価格帯なのも特徴です。
ヤリスクロス GRスポーツ

画像引用元:トヨタ ヤリス クロス
コンパクトSUVとして人気のヤリスクロスのGRスポーツモデルです。走りが強化されているだけでなく、内外装も変更されています。
ラジエターグリルや切削光輝の18インチアルミホイール、さらにリアの下部にあるディフューザー風の形状がスポーティです。
搭載されるパワーユニットは標準グレードと変わりませんが、特性を変更しているので気持ち良く走行できます。
ハイラックス GRスポーツ

画像引用元:トヨタ ハイラックス
ピックアップトラックのハイラックスのスポーツブランドGRシリーズになります。通常グレードと比較して、エクステリアがブラックアウト化されていたり、ブラック塗装があります。
インテリアにもGRエンブレムがついた本革巻のステアリングホイールやGR刺繍ロゴ付の合成皮革シートなど上質です。
足回りでは専用のサスペンションが装備されているので、快適な乗り心地とステアリングの応答性が向上しています。
ランドクルーザー GRスポーツ

画像引用元:トヨタ ランドクルーザー
本格的な4WDのランドクルーザーですが、高性能なGRグレードも設定されています。GRスポーツには電子制御でスタビライザー効果を変化させてくれる「E-KDSS」(Electronic-Kinetic Dynamic Suspension System)が採用されているのが特徴。
車体の揺れを抑えながら走行性能とオフロードの走破性を両立しています。電動デフロックが搭載され、悪路環境では走破性を高めているのでオンロードでもオフロードでも気持ち良く走行できます。
内外装も専用装備があり、スポーティな雰囲気になっていて、高級感と両立されているモデルです。
コペン GRスポーツ

GRシリーズで初となる軽自動車です。ダイハツのコペンからOEMを受けて販売されているモデルです。
ボディ剛性や足回りのチューニングが行われており、ボディ剛性が高くなっただけでなく、フラットな乗り心地を実現しています。
2シーターのライトウェイトスポーツらしい気持ちよさが楽しめるモデルに仕上がっています。
GR
GR カローラ

画像引用元:トヨタ GRカローラ
カローラスポーツをベースに、さらにスポーティに走行するためにチューニングされています。ボディサイズは片側30mm拡幅されており、ワイドなスタイルになりました。
また1.6L3気筒ターボエンジンは3本出しマフラーでさらに高出力化。後方から見たときもスポーティな仕上がりです。
スポーツ4WDシステムのGR-FOURが搭載されています。駆動配分を制御したり、アクセル応答性やステアリングを調整するドライブモードが選択でき、走行性能や好みに合わせて選択できるのが特徴。
採用されているボルトも改良されたり、バンパーダクトの形状が改良されて空気の流れも最適化されています。
よりスポーティーに走行できるモデルです。
GR 86

画像引用元:トヨタ GR86
専用のエクステリアデザインが採用されているので、シャープな印象を与えるデザインになっています。
インテリアでは水平な構成や中央の大画面のディスプレイ、さらに7インチTFTディスプレイを採用したメーターで、ドライバーが見やすい環境になっています。
86時代からエンジンの排気量も向上したり、運転に集中しやすいコックピットなど、ドライバーが楽しめるモデルです。
GR ヤリス

画像引用元:トヨタ GRヤリス
クーペ形状のスポーツカーで、WRCで活躍するための車です。スポーツカーを日常でも楽しめるのがコンセプトになっているので走りにこだわりたい方におすすめの車です。
RSグレードは、標準モデルと同じ1.5Lエンジンなのでそれほど出力も高くなく、燃費もよいといえます。一方1.6Lターボエンジンはハイパフォーマンスエンジンが採用されたRZグレードは、燃費がよいヤリスと比較すると、GRグレードになると燃費自体は良くはありません。しかしカタログ燃料消費率は排気量と比較すると十分といえるでしょう。
デザインはスポーツカーらしく3ドアになっており、ドアサイズも大きくアルミを採用したので軽量化されています。
GR スープラ

画像引用元:トヨタ スープラ
GRブランドの初スポーツカーとして登場したのがGRスープラです。FRのスポーツモデルは、BMWのZ4と共通のプラットフォームやパワートレインを採用しています。乗り心地や足回りはトヨタが開発しているので、独自の仕上がりになっています。
スポーツカーらしいロングノーズでショートデッキのスタイルで、さらに運転に集中できるコックピットになっているのが特徴的。剛性の高いボディで一体感のある走りを楽しめるでしょう。
GRMN
GRMN YARIS

GRヤリスがベースになっており、軽量化やボディ剛性の強化が行われているモデルです。フルバケットシートやリアシートが取り除かれ、ボディ補強ブレースの装着など、本格的なスポーツ走行を目的としたモデルになっています。
スポット溶接の箇所がGRヤリスより増えていたり、機械式LSDが搭載されているなど、さらに性能が向上しています。
すでに完売しているモデルですが、サーキット走行を楽しむ方に魅力的なモデルです。
スポーティなトヨタ車をお得に購入する方法
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